人生初ポケモン勢のポケモン記録 の2(ポケットモンスター ソード・シールド)

ポケットモンスター ソード -Switch

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どんな感じ?

 人生初ポケモンを楽しんでいる、というのを記録して、置いて、未来の俺が懐かしむ為のものです。癒すぞ、俺を。という言葉を丸パクリするくらいに、懐かしさは癒しなのです。
 さておき、主人公ミサキが全てのポケモンを捕らえつくすことを基本精神として、やっている。そういうポケモン生活の話です。それではいってみましょう。

まどろみのもりからタンパン=コゾー

 ウール―と言うポケモンが、柵をぶち壊してまどろみのもりに行ってしまった! 放っておいていいのでは、あるいはすぐに大人に知らせるべき案件では? と思いましたが、そうなると話が進まないので、ここは古典的一方通行の礼に従い、ウール―を助ける為、もりに突撃します。
 まどろみのもりは霧がかかって、中々神秘的。ホップ、わりと先行していくのか、と草むらのやせいのポケモンと対決しつつ進むと、途中で立っておられる。お前先行ったんちゃうんか! 案件でしたが、回復してくれたのでプラマイゼロです。でも、回復してくれた後もその場に立っているので、これは、ミサキを露払いに! その後もミサキの移動後についてくるので、その疑惑は確信に変わり……。
 と言うところで、ある程度森の奥に到着。何かの遠吠えが聞こえるので、うかうかと先に進んでしまいます。
 そこにいたのは、一匹のポケモンらしいもの。シルエットから、ザシアンとかいうのに見えますが、剣は加えていない。なんだこいつ? と思っていたらいきなり戦闘に。
 イベント戦闘だなこれは。と予断を持って臨めば、それは実際その通り。こちらの攻撃は、手応え無し。向こうから攻撃してくる意思はなく、逃げられもせず。ならば当たるまで殴るまでだ! と脳筋発動。しかし、一度も命中することなく、そのポケモンが呼んだかのように濃くなっていく霧で、気が付けば気絶と相成りました。
 その後、ダンデがやってきて、ひとしきり怒られつつ、そのポケモンが伝説級では、と提示されたところで、街中へと。
 その前に、ママン(眼鏡銀髪。ミサキはママンの血を強く継いだのかしら?)のとこにより、お小遣いをいただく。
 3万!
 金銭感覚がない世界なので、高いのか安いのか分からん! でしたが、それはさておき、街の方へと。駅前はダンデの最強リザードンが鎮座し、駅には入れない。行けと言われたとこ以外には行かせないという圧! なのでポケモン研究所へ。
 中でお待ちかねはソニアさん。額眼鏡っ子という中々ハイセンス。おでこの眼鏡でデコデコデコリンですか! と年がバレるあるいは全く分からない発言をしてしまいました。ダンデとはポケモンを始めた頃くらいからの知り合いらしく。その頃はおでこ眼鏡ではなかったのではないか? という、たぶんないだろう話を勝手に脳内にインサートして、眼鏡っ子が額眼鏡っ子になった、という経緯を聞きたくなりましたが、たぶん、どこにもないので脳内で熟成させたいと思います。
 さておき、ここで新たな出会いが。え? ソニアだけだろ? ばっかお前、ワンプチがついてるだろ? 開幕イヌヌワンという謎吠え声、でも愛くるしいスタイル。ダンデをエスコートするなどの賢さの高さ。
 君、わたしは多少はと言ったのだ。あれはパーフェクトではないかね。
 という錯乱するくらいには、ワンプチが可愛かったのです。いずれ捕まえる……。
 さておき。
 そこらポケモンセンター、実を売っている店とブティックをそれぞれ見ておく。それらを見るに、3万は中々いいお小遣い。基本の物を買うならそこそこ長持ちするけど、ブティックに寄るとお金はマッハで消える。というか、これは年齢がいった人ほどブティックで金が消えるパターン……! 私はブティックは冷やかしで済ませました。ポケモンセンターで、回復アイテムをある程度購入しておくに留めましたよ。服は金を食うな。気を付けよう……。
 さておき。
 一通り見た後、ホップを追って2番道路へ。そこで、ホップがポケモンゲットの方法を! と思ったらダンデがきっちりチャンピオンらしい王者のポケモンゲットを見せてくれました。そしてモンスターボールを20個も! 一生どこへでも、ついていきます! とユリア声です。
 そのボールを使い、2番道路のポケモンを乱獲! 削って投げて捕るを繰り返して、あっという間に3体ほどポケモンゲットしました。一回、効果はバツグンで一撃で倒したりしましたが、ね!
 まどろみのもりでいいな、と思ったココガラがすぐに捕まえられたのは大変よき。こいつも育てて使っていきたい。他は感じ感じ。まだワンプチがいない点がぐぬぬでしたが、そう簡単に手に入ってもな……。焦らしてくれるぜ……。
 と、その途上で、赤い姿が。こんな所に人がいるのは不自然。となれば、これはポケモントレーナーとの遭遇戦、ってやつか!
 そう気づいた私は逃げました。逃げ出したのです。
 というか、削って捕まえてたので、サルノリはダメージを受けているし、捕らえたポケモンはダメージ残ってるし、でこのままいって敗北はまずい! と逃げ腰になったのです。リベンジしたる……。

動画

この文章のは大体この辺り。
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 人生初ポケモン勢のポケモン記録 の1(ポケットモンスター ソード・シールド)

ポケットモンスター ソード -Switch

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初めにどんな感じ?

 皆さん、知っていますか! と、黒岩知事の枕詞で始動しますが、私、アラフォーになっているのに『ポケットモンスター』、つまりポケモンを全くしてこなかったのです。
 友人に少しレベル上げして、というのでしたことはありますが、そんなのプレイのうちに入らないのは、程誰でも認定してくれることと、私は信じている。だから私は全く0じゃないと言える可能性を秘めている点については、だが私は謝らない。
 と言う謎の言葉はさておき、流石に耳年増などで知っていること、ひ、みず、くさは相克関係だとか、ミュウツーが最後のちょっとだけ、ゲームの製造データとして最後の物を抜いたら丁度入るから入れたとか、ユンゲラーとか、ポリゴンとか、サワムラーとか、小学生でポケモン言えるかなを延々歌っていたのがいたとか、とにかく盤外戦の記憶ばかりが多い! 書き出しててここまでポケモン知ってなかったのかというのを再確認してしまいました。
 それはさておき。
 それが、何故ポケモンへの初めてを捨てるに至ったか、と言う話もいいんですが、色々言っても結局やってみたくなった、が最短の解なので、初めてやるにはいいシズル感だったのだ、という以上のものはないかと思いますし、この記録の本筋でもないので、涙も飲まずにカカッと先に進もうかと思います。
 あ、ちなみにソードです。兄妹がシールドを買う、というのでソードにすればいじゃない! になりました。

基本目標など

 今回の私のポケモンプレイ、というのは、初めて故に緩い縛りというか、目標をぱちんと立てておこうかと思います。といっても先述の通り緩いのですが、

  1. 御三家はストーリークリアまで使う
  2. 捕まえられるのは捕まえて、ポケモン図鑑を完成させる

 の2点です。本当に緩い、と思うんですが、なにせポケモン初心者。もしかすると「マルノウチ・スゴイタカイビル!!」並みの多くの事柄が含まれた宣言をしているのでは? という恐怖もあります。たぶん、そこまで高いハードルではないと思うんですが……。
 ということで、その点を踏まえつつ、記録を書いていきたいと思います。

姿ロンダリングから、まどろみのもりまで

 ゲーム買ってうっきうきするタイム、好きではありませんか? 私は好きです。どんなゲームにも、そんなタイムが存在します。それが大作ともなれば、「あんたに恨みはないが、金がもられるからなあ!」とスパロボα外伝のブレーカー台詞がするするとでてくるくらい、テンションは高くなります。
 そのテンションをくじかないのがいいゲームですが、ポケモンに関してはいきなりオプションな、言語選択から入るので、成程全世界に売っているゲームだ、と感じ入らせてくれます。日本語も、ひらがなと漢字があり、つまりひらがなの方だと感じが入らないのだ、というので、成程全世界のお子様に売っているゲームだ(略)
 その後は、姿ロンダリングです。どうでもいいので注釈で飛ばして*1、自分の姿を男の子4つ、女の子4つの中から選ぶロンダリングをさせられます。肌は白と浅黒いのと黒いのと、髪は普通に赤茶から銀髪まで。銀髪!
 このゲームは後から見た目は変えられるというのを喧伝していたので、なら好きな姿でええやん! というロンダリングの基本方針が決まり、なら銀髪少女やろ! と銀髪にしました。銀髪……。
 さておき。
 名前は、イマジナリーな存在ながら自分の子であるから、ということでミサキとしました。それなら栗毛にすべきでしたが、そんな誰も分からないことをこだわってどうする! という気もしたし、ニシワタリポケモン昔からやってそうというので、ミサキ確定です。徹頭徹尾ミサキで行きます。
 それが終われば、まずOP的なものがスタートします。ここはポケモン世界! というのを一瞬で覚えてもらいます。という刷り込み攻撃なので、異を決して刷り込まれました。とりあえず、ローズさんのポケモンの、ゾウっぽいのは絶対に手に入れる。そう思いました。
 後、チャンピオンダンデの登場の仕方が「範馬刃牙の登場だーッッッ!!!」みたいで、一見してこいつがチャンピオン、という強烈な刷り込みをしてきます。ダンデさんポーズダサかっこいい。印象に残り過ぎる。ダイマックスも印象にドカンと残ります。だって、スタジアムの天井が無いのはこれゆえか! くらいでかくなるんですもん。これ、俺らも使うの!? 大丈夫なの!?
 さておき。
 そこから、ミサキの家に場面は移り、ホップなる者、お隣さんらしい、がやってきて、何やらやたら急かしてくる。それもそのはず、ホップの兄が凱旋してくる、というのである。
 このタイミングで凱旋するような人はただ一人、つまりチャンピオンダンデ! ということで、ダンデがホップの兄、ということで話がどんどん進み、御三家をくれる、ということに。トントン拍子!
 この御三家選びは、一応みずのメッソンの予定でいたんですが、プレゼンの御三家の動きを見ていると、くさのサルノリが可愛くて……。ダンデも引かれるものがあれば、それが繋がりだ! と言わんばかりに煽ってくるので、最初のポケモンはサルノリになりました。俺のサルノリは可愛い……。残ったメッソンはホップ、ヒバニーはダンデさんがさらっと。残るポケモンがいない……。さらっと選ばなかったらどうなるのか、を解答してくる……。細かいことだけど、だからこそ、できる……。
 そして、初戦としてホップとの対戦に。最初から2つポケモンを持っているというハンデ戦ですが、これはちゃんと楽に倒せます。というのも、最初のウール―を倒すと、持っているポケモンがレベルアップし、属性付きの攻撃を覚えるのです。そして、ホップは、自分が選んだポケモンに不利なを選んでいる。後は分かるな?
 この辺の、出来るだけ気持ちよく入ってもらおうとする気遣いが、ほんま細かくていいです。最序盤ゆえ基本一本道で歩かされますが、逆に言うとそこを越える可能性を廃している分、色々楽でもあるんだろうなあ、と。ゲーム違いますが『スプラトゥーン2』の越えられない部分みたいなやつ。スプラはよく突破されて改定を繰り返してましたが!
 さておき。
 話の展開から、どうやらこのままポケモントレーナーとして旅に出るのが確定的に明らかなんだな、とははぁんし始めたところで、実家の近くの柵が盛大にぶっこわれ、そこに突撃していたウール―が森の方へ行ってしまった、というので、追いかけることに。
 というところで記憶を探る遊びとしての記録は一旦ここまでで。まだ一匹も捕まえてない!

動画

 動画作ってましたので載せときます。今回書いた辺りの、動画第1回目です。
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*1:姿ロンダリングとは、自分の姿を別のアバターにする行為の勝手な自分呼び名です。文字を書くのをワープロロンダリングし、声を出すのをボーカロイドロンダリングした、という思考の延長線上ですね。普通にアバターを持つ、でもいいんですが、映画『アバター』みたいな機材でなくても、気軽に姿を変えられる、と言う点をロンダリング呼ばわりしています。最近のVの人たちとか見ると、姿を可愛い女の子にロンダリングするのって、楽しいんだろうなあ、というやっかみも入っていますが、それはまた別の話。

 今回のまんがタイムきららキャラット三作取り上げ(2019年12月号)

承前

 まんがタイムきららキャラットから三作を取り上げて、それぞれについて感想を書くという試みです。三作は中々に選ぶのが楽しいんですよ? 数ありますからね。
 選ぶのは好きな作品。とはいえ、号によって振れ幅がありますので、最大のゲインがあるやつ優先です。テンションが違いますよ、テンションが。
 それではいってみましょう。

黒田bbAチャンネル

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ぷくー
 るんちゃんたちが修学旅行、というので一年違いのトオルンは当然置いてけぼりを食らう、という中で、トオルン寂しん坊じゃないですか! とユタカとミポリンが、と言うお話。るんちゃんたち、というよりはユー子とナギに、るんちゃんマジお願い、マジだからね!? するトオルンが可愛かったです。まあ、るんちゃんだからな……。るんちゃんはユー子とナギがいるから余計にかな? してますが。お前だぞ!
 後、鎌手先生が佐藤先生と鬼頭先生の間が進まぬよう、っていうのを大きくは言わないけど言外に、と言う点も良かったです。確かに、婚前旅行! ですものね。エロいことになったらこと、特に鎌手先生としてはなんかあったらすぐ知りたいっぽいですし。

浜弓場双『おちこぼれフルーツタルト』

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確かに日常会話で出たらヤバイ
 突然アメリカ代表として出てきた、乙社長と利音さんがドル園にエントリーだ! から次の日のお話。
 乙社長、キャットプロから下野し、カナリアプロを創設。その所属アイドルに。それに利音さんも一緒に! というのでたこパとなりました。その辺の理由を語られつつ、クリームあんみつが乙さんに顎で使われていせいでそこにいて、というのでたこパだったはずなのに無闇にバタバタする回でありました。
 しかし、乙さんが社長職をかなぐり捨てる、というのは、3巻辺りで社長よりトップアイドルのがすげえ! って言ってたのが一応の伏線なんでしょうか。その言を利音さんにもぶっかましてた、というのも再演的です。

険持ちよRPG不動産』

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魔王!?
 ファーちゃんがどっかいってもうた! というので憔悴する琴音さん。それでも、お仕事はしないといけないのである。と言う回に見えて、案外今後の展開を暗示する回となりました。今回の依頼人はエルフさんで、時間間隔が人のそれとは全然違う、というのでどうしたら、となったら成程! という物件に。確かに世界樹なら世界が終わるまでは、な感じですね。
 琴音さんは憔悴してても仕事きっちり出来て偉いね……。シャミ子は偉いねくらいに偉い。でも、エルフさんからファーちゃんの情報を、というよりは先代魔王の情報をもたらされ、それってファーちゃんと類似点ある!? ってなってさてどうなるのやら。というか2巻乙にならんといてー。

 ネタバレ感想 篠房六郎 『おやすみシェヘラザード』2巻

おやすみシェヘラザード(2) (ビッグコミックススペシャル)
おやすみシェヘラザード(2) (ビッグコミックススペシャル)

 大体の内容「なんか百合の三角関係なんだがその一翼が確実におかしい件について」。1巻の頃からしえ先輩狙い、というのが明確だった橋山さん。その為に今回はモーションかけまくります。彼女は狂っていた。と、忍殺ナレーションで言いたくなるレベルで策士が策に溺れるにしてももうちょいあるやろ! なアトモスフィア。それが『おやすみシェヘラザード』2巻なのです。
 1巻から2巻を読むのに間が開いた点につきましては、1巻で大体この漫画が出来る事は済んだな、と勝手な見切りをつけたからです。しかし、巻数がそれなりになってきており、なら、もしや俺の知らない謎の何かが内蔵されているというのか!? となり、ついでに自分の感想を読んで気になるという自家薬籠中になってしまい、2巻の購入をカカッとやって読んだ次第。
 で、どうだったかというと、篠房六郎先生のウルテクが炸裂しまくっており、まさかここまでおかしくなるとはっ! と蒙がべかんべかん啓けました。こんなとんちきな、つまり映画について全く面白く語れない、という地点に対してのアプローチがここまで幅広いとはっ! って訳ですよ。
 一応、おさらいしましょう。この漫画は、映画好きで語るのも好きだけど好きなだけでスキル高くなるなら不幸は少ないよね、と言う感じに映画語りが酷いしえ先輩に対して、招かれて聞かされて寝る、の三段活用のあさとさんとの交流を描いた作品です。
 メインは、何故こんなにつまらなくなるんだ……!? というしえ先輩の異次元の映画語り。熱意はある、んだけどそれだけでは覆いきれない何か、というのを毎ターン連打するという、それだけで作る方が苦行過ぎるやつです。
 それの2巻ともなれば、どうなるのか。それがこの2巻になるのです。(某泉論法)
 今回は、2巻収録の三作品についての語り方から、如何にこの漫画が攻め方が〇チ〇〇なのかについて迫っていく。そういうドキュメントとなっているなどとは、努々考えないでください。単なる感想です。

第10夜『魔法少女まどか☆マギカ

 この文字列だけで、うっ! と心臓を押さえてしまう方も多いかと思います。それが、その内容に対してなのか、この漫画で取り上げられるという点に対してなのかは、この際置きましょう。
 この回も、とにかく酷いです。しえ先輩の語り口の問題点がバリバリバルカンパンチレベルでオーリャリャリャリャリャリャリャアア! してくるのです。
 この回でのしえ先輩の語り口の問題点は、感情移入し過ぎと言う点にあります。それは初手からぶっぱなされるのです。つまり、ほむほむの登場によって。
 一回通してまどマギを見た方なら、最初に戻って最初のほむほむを見た瞬間に今までの情報がフラッシュバック、特に叛逆まで行ってたら気持ちのアップダウンが凄すぎて超エモくなるでしょうが、そのエモくなるのを大体の人は抑えて、プレゼンするならすると思います。
 しかし、しえ先輩にそのような機能というか、抑制はついておりません。初手、ほむほむ登場というところを、特に画面とかなしで話しているのに滂沱の涙です。誰もが、気持ちは痛いほどわかるんだけど、それを知らない相手にプレゼンなので抑えろ! となる案件なのです。
 この後、メイン所の登場を語るたびに精神が揺さぶられるしえ先輩、という変な絵が連発されます。あまりにアップダウンが大きいため、聞いてた方がイヌカレーを異端の集団、というある意味ではあってるんだけどな勘違いをするに至ります。イヌカレー的に大丈夫か案件です。頭おかしい。

第12夜『マッドマックス 怒りのデスロード』

 フューリーロード回。今回では、あさとさんを一方的に敵対視、そりゃあ好きなしえ先輩に見初められているくさいから、という先に名前を出した橋山さんが、しえ先輩のフューリーロード語りのガヤとしているという、え? ガヤ? な回です。
 このガヤ、というのが曲者で、フューリーロードってわりと勢いの強い所(婉曲表現)があるじゃないですか。その勢いの強い所を、全力全身全霊で、橋山さんがやってしまうという、ある意味スサマジイ=エイゾウが場面に叩きつけられているのです。
 ここの橋山さんの熱演は熱演で、と重複表現するくらいに熱がこもっています。この映画オタのやばい所をぶっぱなすことで、橋山さんコワイ! そして、しえ先輩もコワイ! 映画好きコワイ! とさせる作戦だからです。そして、そうするにはフューリーロードはうってつけなのだ、とこの話を見ながら内容を思い出すと分かってきます。だって突然「V8! V8!」とか「俺を見ろ!」とか、ぎゅいーん!(火を噴くギターで)とかやりだすんですよ? 危ないでしょ?
 しかも、それがしえ先輩の説明をきっちりフォローする、ということで、知らない人に、マッドマックスおっかねえ……、マッドマックス信用できねえ! と植え付ける、つまりあさとさんが、ひいー! って逃げ出すことになるのです。ここまでは橋山さん計画通り。
 計画通りじゃなかったのは、橋山さんの奇態があまりにかっとび過ぎてて、しえ先輩も状態異常怯えが入ってしまったことです。フューリーロードに出てくる人たち、特に敵対者側は偶に知能指数1になる奇病にでもかかっている人が作ったのかってくらい、優しく言うとトんだ人たちですが、それの真似をやるんだから、つまり狂人の真似事をすれば実際狂人なのです。策士策に溺れるにしてももうちょっといい策あっただろ! 感満載で、両者痛み分けとなり、この回は終了します。頭おかしい。

第13夜『お茶漬けの味』

 回としては特段進んだところのない、閑話といえる回ですが、しえ先輩が話を面白くないよ? という導入で入るという、はいそうでしょうね。案件から、小津安二郎『お茶漬けの味』の話を盛りまくって全く別物にする、展開までは、まあ理解の範疇です。
 その後、盛りが終わって、話もほぼ終わりに入って、で特に何でもない話がしだしてからがこの回の真骨頂。単純に言うとコピー芸という部類の、同じコマを使いまわすやつなんですが、この使いまわし方が本当に独特で、通常のコピー芸というのは再奏的にやって労力を減らすのをし過ぎたせいで芸の域に達するのですが、この漫画の場合は、どうコピーを使うと訳が分からなくなるか、というのを煮詰めてしまった感じで、あまりのその度の強さに話の内容が入ってこない、あれ、これなんか違う事言ってるコマだっけ? になるという、コピーであると気づくがゆえに混乱する、という謎の昇華となっていました。混乱をもたらす、と言う意味ではコピー芸に勝るものは意外とないのかもな、と思うに十分でした。頭おかしい。

ということで

 1巻で大体やることで尽くしただろ、と予断を持っていたのが恥ずかしい位、篠房六郎先生の渾身の作品、それが『おやすみシェヘラザード』なのかもしれません。2巻でもまだこれほどのインパクト出せる、ならもっと追い詰まったら? そして百合三角関係と面白くないという芸の映画語り。相性はいいのか悪いのか、ですが、相性なんて自分でこしらえればいいんだ! という力強いライフハックも見れる。そんな作品です。3巻買ってこな。
 とかなんとか。

 伊藤明弘『ディオサの首』について称揚しようというカタリ

ディオサの首 (1) (サンデーGXコミックス)

ディオサの首 (1) (サンデーGXコミックス)

初めに

 この項は、伊藤明弘『ディオサの首』があまりに素晴らし過ぎる為、出来る限り称揚しよう、という趣旨で書くものです。
 感想は、
hanhans.hatenablog.com
 であります。ついでに伊藤明弘カタリもかましつつありますので、読まれていると、それでもたぶんこのあふれ出るモノに対して色々あるんだな。という理解の一助になるものと思われます。たぶんきっと。
 さておき、それではいってみましょう。

『ディオサの首』の一話目について

 伊藤明弘及び『ディオサの首』を称揚する方法、その導入を色々考えたのですが、結局一話目をカタル。これから入るのが多分この漫画をきっちりカタレるであろう、という判断で、『ディオサの首』一話が如何に優れているか、というのをつらつらとしてみたいと思います。とにかく優れているという言葉しか出てこないのですが、それでもなんとかきっちり語りたいと思います。
 ちなみに、サンデーGXのサイトにて一話目の試し読みが可能なので、それを適宜参考になさっていただくと、更に理解がよくなると思います。とにかく作りが凄すぎてあたまおかしなりますし、この文章もどんどんあたまおかしになっていくし、読んでる前提っぽく書いていきますからね。
 さておき。
 まず、一話目、と聞いて皆さんが想像するのは、どういうものでしょうか。
 大方の人は、この漫画がどういうものであるかの提示、と言われるかと思います。某などは、『コミックマスターJ』の名台詞よろしく、面白い漫画であることが決まるのが、一話だと思っています。どういうものかという提示ではなくても、どういうキャラが動くのか、というのでもいい。この漫画が面白いというのを確認させてくれるのが一話、と言えるでしょう。*1
 その伝でいくと、『ディオサの首』の一話は優れているという言葉以外に何が使われようか、と言うレベルでこの漫画の面白さを全部乗せしています。しかも映画で言うなら3シーンだけなんですが、それでこの漫画の面白いところがどこから来るか、というのを提示しきっています。
 まずワンシーン目。誰かが今から自分たちがすることを、如何に穏便にすませるか、という噛んで含ませからの導入になります。そのあくまでソフトに、という言から酒場に入って次に出る言葉は「警察だ!」という、にわかに穏便に済まないだろ! なもの。
 そして、写真の男について、問いかける、その男と手錠で繋がれた女の風体は、どうにも警察と言うには怪しい。
 女の方も、男が詰問しているのにいきなりテキーラを頼みだす。
 明らかにおかしい。と、読者が思っているところに、ごろつき達が、本当に警官か? と絡みだす。そして読者がおかしい、という気持ちになっている部分を、ガスガスと暴いていく。なんで手錠つけたまま入ってきているのか。パトカーはない。写真の男は警官。警察バッジも、よく見れば違う人間のもの。
 事ここに至り、男と女、主人公のアツシとモニカが、警官では全くないことが暴かれるのです。
 そして、モニカの帽子をごろつきが踏んでしまったがゆえに起きる銃火の洗礼! ごろつきは瞬く間に駆逐されてしまいます。そして訪れる静寂の中、アツシは警察の到来を察知した為、モニカを連れて酒場を去る。
 というのが、まずワンシーン目です。この段階で、この漫画の主人公側の基礎情報がすべて盛り込まれています。
 アツシとモニカが主人公であり、二人は手錠で繋がれていること。
 警官を追っていること。
 アツシはともかく、モニカは銃撃の熟練者であること。
 この基礎情報の凄いところは、全てが何故? という謎を内包していることです。
 何故手錠で繋がれているのか。
 何故警官を追っているのか。
 何故モニカは異常ともいえるくらい銃の扱いに長けているのか。
 それらが、これからのちに解明していったり、謎が深まったりするんですが、とにかくこの謎の提示があまりにも上手い。全く、押し付けることなく、自然に何故? と思わせられるのです。ナレーター的な存在がいないので、ただそうあれかし、とあるだけであります。そして、1話目ではそこの謎は全く語られない。この漫画の話を次へと牽引する、自然な導線となっているのです。
 そうでありつつ、この漫画の魅せ場というのもかっちり決めている辺り、この漫画の底知れなさは相当のものです。そこについては後述するとして、次の、ツーシーン目の話。
 ここでは、アツシたちが追っている警官、エリアスが登場するシーン、という言葉が適切でしょう。そして、その人となりと、悪徳警官、というのから更にもう一足した、危険度を見せるところでもあります。
 導入は知り合いとの電話での会話。嫁さんとの離婚調停に向けた話、というので、まず何故この警官は追われているのだろう。という普通さを見せてきます。
 そして鹿追をしている、と話は進んでいき、そして取り出した狙撃銃で、それを狙い、撃ち、殺す。その一連の流れの間に、鹿、と呼んでいたのが人であることが、撃ち殺されたその姿で明示されます。そして三人いる人を全て射殺する、エリアス。
 しかし、そのことについて全く気負うことはありません。その前の、電話での会話と同じ調子のまま、エリアスは去っていき、シーンは終了します。このことで、このエリアスと言う警官が悪党、それも相当ヤバいやつだと明らかにされるのです。
 これによって、ますますアツシとモニカが何故この警官を追うのか、という部分がクローズアップされます。
 そして、この二対の存在がこの漫画のメインの駆動系であり、ここがどうにかなるのが、この漫画なんだ、という理解にも到達出来ます。この理解させ方の自然さもまた、超絶と言えるでしょう。忍殺の地の分=サンがいたらゴウランガ! からの解説がまろび出るくらいの場面を、さらっと、しかし印象的に魅せてくる訳ですよ。タツジン!
 で、最後の三シーン目は、アツシとモニカが灼熱の荒野を歩いていく、と言うシーン。なんともゆるい場面です。しかし、このゆるさはここが初出ではない、と読んでいると気づきます。
 ワンシーン目のテキーラのくだり。
 ツーシーン目の殺戮の前のどうでもいい会話。
 この漫画にはそのようなゆるい部分が、それをB級テイストと呼ぶなら、そういうものが混在している、というのを、スリーシーン目は明快にしてきます。
 この三つのシーンによって、この漫画の基礎の情報は全て出そろう、という形になっています。とにかく、描き口はひたすら明快。なのに謎はあるし不気味さもあるしゆるさもあるし、でもやっぱり明快。
 この、描き口の洗練をもって、この漫画が伊藤明弘の漫画の一つ究極に達している。そういう判断すら可能なのです。
 これを持って、一話の完璧さが、分かってくるかと思います。

B級ということ。あるいは伊藤明弘と言う狂気

 この漫画において、もっとも笑えた部分はどこか、と言う話をいきなり方向転換からのぶっぱをしますが、それはやはり帯の、それも中折れの中の方の内藤泰弘先生のお言葉でしょう。
 同じ雑誌のメシを食った仲である内藤先生だからこそ、でもわりとあなたもそうですよね? という部分もあるという、玄妙なる伊藤明弘狂人認定がそれです。全文を書き起こしてみましょう。

「いいですか野郎ども。
伊藤明弘は銃の出てくる漫画の中で一番凄い所を
ずーっと描き続けてそれ以外やってこなかった狂人です。
彼の脳内には地獄の釜で煮しめた様な
B級映画が流れています。
彼はそれを漫画にして供給します。
それをまた脳内でB級映画にして再生するのが
我々ボンクラの仕事です。
分かりましたね?分かったらさっさと
作業に取り掛かって下さい。
以上!!」

 この文章の妙味は勿論、狂人内藤泰弘による伊藤明弘狂人認定ですが、それ以外でも伊藤明弘作品のアトモスフィア、もっている雰囲気というものを闊達に、同じボンクラであるがゆえに書き出している点にも注目でしょう。
 片やアニメ化作品のある一線級の狂人内藤泰弘。片やアニメ化? 覚えている人いるの? でちょっと前まで病気で一線から退いていた狂人伊藤明弘。その間柄に何があるか、というのは色々ありそうだけど、でもお前の漫画が好きなんだ! というのを、その実をしっかりと書くことで見せつける内藤先生の好きっぷりは、ちょっと度し難いとまで言えるレベルです。
 おそらく、伊藤明弘認識としては最上級のものが、この文といっても過言ではない。それくらいに、きっちり伊藤明弘を見据えている。本当に度し難いです。
 と言う話はさておき。
 伊藤明弘に狂気があるとするなら、やはり先の文のように銃撃戦に魂を引かれ過ぎている点でありますし、もう一点挙げることを許されるなら、漫画という止まった絵の中に動きを魅せるという常の域を超えた技術にもそう言及できる。そう僕は思っています。
 これはこの前に書いた感想に付随するカタリでも同じことを書いたんですが、それでももう一度書かないと収まりが付かないという気持ちにさせるくらいにはこの漫画が出来過ぎているので、描写し直しになりますが、それでも書きたいと思います。
 銃撃戦に対するセンシティブさはこの『ディオサの首』でも爆裂しています。それもただの銃撃戦ではない、というのが、キャリアを積んで銃撃戦のマエストロとまで呼ばれるまでになっても、銃撃戦に対する意識、センシティブは切り立っているのを感じさせます。
 どこがそうなのか、というと、モニカとアツシが手錠で繋がれている、というこの一点だけで通常の銃撃戦ではお出し出来ない、新たなる殺陣の世界が巻き起こるところです。
 これが、マエストロとまで呼ばれた漫画家だからこそ出来るのだ! と言わんばかりの出力具合なのです。
 この1巻では基本乱戦なので、余計に殺陣の具合が素晴らしく、如何にアツシが死なないように、でもモニカが縦横無尽出来るように、という相反するような要素をカカッといれた見事な動きを魅せます。
 ハンデとしてのアツシをものともしない動きを魅せるモニカのそれは、特A級の漫画家くらいじゃないと出来ない所業。しかし、このB級とも特S級とも言えるこの漫画、『ディオサの首』にそれを過たずぶっこんでくる。その精神性、あるいはセンシティブさこそ、伊藤明弘先生の真骨頂。そう言って差し支えないでしょう。
 にしても、漫画って止まっている絵じゃないですか。それに動きを感じる、というのが伊藤明弘先生の頂の高さです。内藤先生も、その漫画を読んで脳内に出力する、という直喩で表現していますが、もうちょっとかみ砕くと、ある絵Aとある絵Bとある絵Cの三点の間に動きがあるのを脳内で勝手に処理してしまう、というのが伊藤明弘漫画の特徴として挙げられるのです。
 いや、それ普通に漫画なら、と思うんですが、この伊藤明弘漫画の場合、その脳内処理を促すのが全然繋がっていないようなコマな場合もあるのです。でも、それで映像としては繋がる、B級映像作品的な美学で。そういう異形の業前こそ、伊藤明弘先生がアクション漫画家としてトップクラスであることの示唆なのです。
 そういうシークエンスの絵もですが、逆に止め絵として、つまり決めゴマというのもまたかっちり決まるのも、伊藤明弘先生が漫画家として、あるいはもっと言えば銃撃戦漫画家として優れている点でしょう。
 映画などでもそうですが、銃撃戦は基本当たったら死ぬので、安置が無ければ動いている場合が多いものです。つまり、逆に動画などになると動くことが基本になるのですが、優れた銃撃戦映画となると、印象に残るのは、逆説的に止まった絵ではないか、と俺などは思うのです。あるいはスローモーションという手もある。止めに限りなく近い動き。と言えばいいでしょうか。
 止め、ならば漫画は逆に真骨頂ですよ。というのが、伊藤明弘漫画で確認出来る事です。
 アクション漫画として、動きを持っているにもかかわらず、逆に止め出来るからこその一枚も持ってくる。これが、伊藤明弘漫画をアクション漫画として図抜けさせている要因、とも言えるかと思います。つまり、動きも止めも思いのまま! という鎬紅葉めいた両得の出来るからこそ、伊藤明弘先生の漫画は素晴らしいのだということです。
 さておき。
 B級ということ。と先に書いているのに後回しになりましたが、今からカタリます。
 内藤泰弘先生がきっちりと看破していますが、伊藤明弘漫画は基本的にはB級にその基礎を根差しています。脳内にぐろぐろうごめいていると思われるくらいですが、それの出し方については単なる趣味の範囲なのかもしれないし、漫画家としての生存戦略なのかもしれない。その点は伊藤明弘先生にインタヴューしないと分かってこないことなので、そういう手筋の方の情報を待ちたいですが、この『ディオサの首』においては、B級のノリを出しつつも、その要素の部分やシナリオ、つまり創作技術としては特S級とすら言えるものを使っている、というのが拙の持論であります。
 その証左は、基本の筋立ての部分は案外タイトな設計である、という点です。悪徳警官を追う、という部分に対して、色んな付帯物やゆるい時間はあり、そこがB級っぽさをかもしているんですが、逆に言えばかもすところを取り払うと、意外と芯が単純かつ濃密なのです。追う二人と追われる一人。それがよく表わしているのが1話の完成度に寄与している、といったところでしょうか。
 この部分がしっかりしているので、後はそこに対する情報をどう付けたり剥がしたり裏返したり。そういうテクで魅せる。それが『ディオサの首』の構造だ、とすら言えるでしょう。この、シンプルな構造を持って、B級である、とも言えるのですが、その動かし方を持ってA級ともS級いえる、というのが、またしても私の持論であったりします。世界を救う話だけがS級ではない。そういうしゃっつらをすら、この漫画はもっているのでは。そう思うのです。

まとめ。そうねえ。

  • 伊藤明弘先生の漫画がもっと売れて、もっと自分から条件厳しくした超絶のB級アクション漫画描いてくれることを期待する、でいいんじゃないの?
  • そうですね。

 というのは置いておくとしても、この『ディオサの首』は、伊藤明弘先生の至高の作品群の中でもトップクラスになる可能性がある、とだけ提示して、この項を閉じたいと思います。皆、もっと伊藤明弘先生の漫画を読もう!
 とかなんとか。

*1:さっき見たサンデーGXサイトでの某ソーヤ漫画などは、どういう漫画であるか、というのをとりあえず放棄して、ソーヤの漫画である、というのをカカッと魅せる素晴らしい業前で、流石にイダタツヒコ先生はものが違うな、と思わされました。

 ネタバレ?感想 柊ゆたか 『新米姉妹のふたりごはん』7巻

 大体の内容「今回はあちこち出かけます」。この漫画も結構長く連載してまいりました。なので、お家で出来ることよりも外に出て! という形も使ってくるようになりました。そこでもいつものいい雰囲気。そういうところを忽せにしないのが、『新米姉妹のふたりごはん』7巻なのです。
 とはいえ、今回の巻は波乱要素も特になく、基本の形もきっちりとですが、最後の回で食事作らない、という変則手も出てきました。それすら許容できるようになった、この漫画の発展を感じさせる回であり、巻であるかと思います。
 しかし、今回の巻は外に出る以外に特段、ここ! と語る特徴が強くないので、感想するのに四苦八苦しています。外に出る、もあやりさんの食材知識が、特に潮干狩り回では、採取の部分にも及んでいるという点が特筆ですが、でもそれっていつものあやりさんだよね? ってなってしまうんです。ある意味今までの積み重ねがあるからこそ出来る回ではあるんですが、やっぱり今までの積み重ね上である以上に中々語れない。いいね、積み重ね! ってもなあ。ムズカシイ。
 ということで、僕は今回はちょっとした1ページの良さをつらつら語ってお茶を濁そうかと思います。
 都合二枚ありますが、まず一枚目。

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 この漫画史上、最大にそわそわしているサチさんが印象的なページです。ちなみに他の家の、ここは絵梨さん家のカレーを食べてみよう、という回。そりゃあ楽しみなのは分かるんですが、このそわそわ度があまりに高すぎて、いつ見ても噴出してしまいます。どんだけ楽しみやねん!
 にしても、そわそわしている、をきっちり見てわからせるテクニックは高いと言えるでしょう。特に、まだ絵梨さんが来てもないのに既にサチさんの手がスプーンで埋まっている点が、本当に浮足立っている感じを醸し出しています。そこからのチャイム音反応してだだだだっからの絵梨さんとの距離が近い! で、本当に待ち切れていなかったんだな、というのがきっちり分かる見事な仕事だと感服するばかりです。でも、そわそわ顔が本当に馬鹿っぽくてそういう意味でも最高。技術とネタ度合いが高いレベルで混ざり合った、柊ゆたかベストワークと言える1ページかと思います。
 もう一枚行きましょう。

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 先に書いた、料理しない回である、水族館回です。ここはあやりさんの可愛いのターン。水族館初めてか? 力抜けよ。 という言葉がするりと出てくるくらい、あやりさんが楽しみにしているのが分かる、というまた見事な仕事。
 水族館の外観を真剣に見る、その眼差しの無垢&気合入り具合、そして、こくこく。あやりさんが如何に楽しみにしていたか、というのがきっちり伝わってきますが、しかしこのこくこくあやりさんの可愛さと言ったらどうだ。単なる頷きで、しかし如何に楽しみなのかが伝わってくる真摯なこくこくです。特に腕の、この入れ込んでいる感じの確度がいいですね。ああ、あやりさんが可愛いなあ……と素直になれる一枚です。
 この後、あやりさんとサチさんは水族館を堪能して、この回は終了となりますが、そういう変則手だったのに、素晴らしく満足、したぜ……。と完全満足さんになれる回でした。こういう回も出来るようになったんだなあ。と感嘆しながら、この項を閉じたいと思います。

 ネタバレ感想 浜弓場双 『おちこぼれフルーツタルト』3巻

おちこぼれフルーツタルト (3) (まんがタイムKRコミックス)
おちこぼれフルーツタルト (3) (まんがタイムKRコミックス)

 大体の内容「俺にだって、推しきれないアイドルくらい、ある……」。とキバヤシ断念を敢行したくなるくらい、もうこのアイドル駄目だ! なアイドルたちのドサ回り。それが『おちこぼれフルーツタルト』3巻なのです。
 今回の巻で、おちこぼれアイドルグループフルーツタルトには苦難が待ち構えています。というか単にドル園というでかいハコに落選して、しかし一発ネタ枠(語弊)でのドル園再起狙う、という形なのですが、この落選の話が類を見ない勢いでして、そしてしばらく落ちぶれるという流れが本当に酷かったのです。
 この漫画大体酷いんですが、この落ちぶれフルーツタルト回、都合2回ありますが、後の流れへの影響力もでかく、特にイノさんのキャラ崩壊のセカンドインパクトとして後世の為、記録する必要があるレベルです。
 元々イノさんは1巻途中の話で、綺麗な女の子に囲まれていると作詞がどんどこできるー、という、この時点でも相当アレな言説をして、その後女の子に対する感度が高くなってやばくなると読者が感じる、いわばファーストインパクトを読者に与えた訳ですが、それに続くインパクトがこの落ちぶれフルーツタルト回で発生します。
 アイドル甲子園、ドル園に落ちた、となってフルーツタルトの面々は、汚に二人、太に二人、という自堕落生活超特急してしまいます。ホホさんもヒモになります。もうアイドルどころじゃねえ! 終わった! となっての自堕落生活だったのですが、ここで一人入っていないのに気づかれるでしょう。
 そうです、一人、がり勉にクラスチェンジした人がいるのです。それがイノさんでした。この段階では、いい大学に入る>芸能事務所の社長になってアイドル侍らせるんじゃあ! という、ダイレクトに途中の過程がキングクリムゾンしている思考でした。しかし、キャットプロの社長の、社長じゃあトップアイドルには敵わない! アイドルが欲しいならトップアイドルに! という言説を鵜呑みにして、アイドルに再度挑戦する、という形になります。この部分で、トップアイドルになればアイドルを侍らせれる! という思考を持ったっぽいのが、彼女に、というか読者側に第二の衝撃を与えることになるのです。
 そういう訳なので、イノさんはある意味壊れ状態だと認識しちゃうんですが、だからこそ、綺麗な発言をすると、アイエッ!? 狂人!? となってしまいます。この巻だと、ドル園一発屋枠(語弊再び)に滑り込む為に、何をする? というのでホホさん提案の野球拳いいね! しつつも、ラットプロのある東小金井の皆にライブがしたい、いつも応援してくれるし! という発言が飛び出したりします。アイエッ!? 狂人!? 案件です。白イノさんという言葉で落ち着かないといけません。
 そういう、インパクトを残してしまっているイノさん以外では、この巻ではロコちゃんさんの出番が多かった印象です。実際、メインにある回が、『ドル☆きら』回、王様ゲーム回、ブロ子回、と三つもあるのは多いと言って差し支えないと思います。どれも酷い惨状ではありますが、という点を抜きに出来ないので、ロコちゃんさんにとっては辛い回ばかりだったりしますが。
 その三つの中で、飛びぬけてヤバイのが王様ゲーム回。王様ゲームというだけではヤバイというのは断片的でしょうが、実質はチコさん+αがロコちゃんさんに一方的な王様ゲームを仕掛け、自分たちの性癖に刺さることを延々とする、と書けば如何にヤバかったか分かっていただけるかと思います。性癖に刺さることが猫耳メイドで、ニャー、と死んだ魚の目で、というのでチコさん、お前らさあ、性癖尖り過ぎ! としか言えません。最終的にはロコちゃんさんがスモックおしゃぶりというまた異常に性癖の尖りを感じる姿で勝利、したと思っているのを萌え萌えするというところまで行ってしまい、この漫画の頭のおかしさには脱帽するしかないと思いました。地獄だ! 地獄! コワイ!
 さておき、なんとかカレー売りやら機材物損などありつつも、イベント成功でドル園に滑り込めたフルーツタルト。次の巻では一体どういう頭おかしいことをしてくるのか。連載読んでるから知ってますが、知っているからこそもう一度踏破することへの恐怖もあるんですよ。地獄だ! 地獄! コワイ!
 とかなんとか。