本一題

内容を要約すると「詰め込みすぎだ!バカ!(褒め言葉)」
基本的にはSFマガジンなどからの短編集ですが、バカ(褒め言葉)方面な「一冊の本」としての作りへの力の入れ方に、大きな声を大にして「このバカ(褒め言葉)」と賞賛やりたい位の完成度の高い「一冊」に仕上がっています。本人は言うに及ばず、コラム陣もきっちりとわきまえたバカ仕事(褒め言葉)をしているのが素薔薇しい。*1
ただひとつ難をいえば、表題作「蹴りたい田中」のオチの駄洒落は無理がねぇか? という点ですが、まあ、そういう事もあらあなぁという風に流すのが一番ですねこういうのは。
一番気に入った話は「地球最大の決戦 終末怪獣エビラビラ登場」。「とりあえず、不思議な技はふくろで解決」、「手とか頭の数が多ければ多いほど強い」という怪獣図鑑チックな所がそういうものを見て育った私にはたまらなくぐっと来ました。
それにしても、硬いイメージのあるハヤカワ文庫でこんなきっちりしたバカ(褒め言葉)が作れるとは、いやはやまったく思いもよりませんでしたよ。今後もこういう「一冊」作りが浸透していけば、結構楽しい本が増えそうでいいなあ。

*1:特にぶった斬りコンビ