のらりのらりと「ライトノベル完全読本」(ISBN:4822217044)反応反応

私がのんびりと寝倒している間にいろいろあった模様ですね。
内容的にはデザインの鎌部善彦さんのインタビューがもうちょっと量があって欲しかったり、ついでに電撃漫画型口絵の勇、荻窪祐司さんの話も欲しかったり、デザインの変化期に出くわした秋山瑞人さん*1とか、デザイン関係も自分で考えてるっぽい川上稔さんの話辺りも欲しかったなあ、と無い物ねだりする位ですかね。言いたいことは。
ところで、ここで唐突に問題です。

ライトノベルは、文壇で正当な評価を受けなければならない。(中略)活字の“ジャンクフード”扱いされてきた状況を変えなければならない。(p3)

と、

すべてをとらえようとすると、必ずどこかはみ出す。そして、はみ出したところから、予想もつかなかった新しい何かが生まれる。(中略)それだからこそ、ライトノベルというジャンルは面白いのである。(p24)

と、この二つの、権威を求めるガチなタイプと比較的大目に見るタイプの発言。これは、一体誰と誰が「ラ完」内でしたものでしょうか?
チッ
チッ
チッ
ちーーん
 
はい、正解は「細谷正充」さん、一人です。同一人物なんですよ。
この人は他に、

(前略)と、ここまでまじめに書いてきたが、人気ランキングは基本的にお祭り、お遊びと考えてほしい。(p16)

とまぁ、結構ゆるめなんです。このランキングをもってどうこう、とか言うわけじゃないんですよ。
それがなぜ、あの「文壇評価」発言につながるのか? と考えてよくみてみると何のことはない。細谷正充氏が「俺は今からライトノベル批評家になるぞー」と批評家宣言してるだけの事なんですね、これ。*2
だから、テンション高めに言ってみましたご批判は甘んじて受けますよでも俺はやりますよ。っていう決意表明なんだろうなー、と思うしだい。
まぁいろいろ言いたいことも無くはないですけどね、“まえがきにかえて”したのが売名行為かよ!とか。
でもぐだぐだ言ったとしても、どうせ本人がやる気なんだから時間と電気とボキャブラリーのムダにしかなりません。 なので「まあ、がんばんなさいね〜」と言ってお終いにすることにします。
「文壇評価」というもの自体に少し考えるところがあるんで、次はその辺を考えてみたいと思います。

  • 7月31日追記

ありさとさんによると、どうやら書いた本人は「文壇」という言葉をいれてないそうです。(こちら参照) となると、「文壇」っていれたのは編集者の方になるんでしょうか? やっぱり「文壇」とやらの人々に知らしめる必要があると思ったのか。 はたまたその方がインパクトが強くなる、キャッチーになるとふんだのか。 どっちにしろ、「文壇」と入れた人にとっては「文壇」に高い権威があるということではあろうかと思いますけれども。

*1:EGコンバットは今の電撃文庫のデザインの雛形ともいえるので

*2:以前にアニメ批評家宣言した人がいましたね、そういや