感想 木村航「ぴよぴよキングダム」

竹岡美穂MF文庫J・580円・ISBN:4840111596
内容を要約すると「おいでませ異星人」
突然「恋の儀式」の為にひよこもどきの異星人の下僕となることになった面々のお家の事情と本人の事情とで、まあそうならないといけないなあという感じでばたばたとするわけなんです。
最初は「読めるなー」位のゆるーめなノリで状況説明とこういうやつらですよーな紹介な展開が、後半に入って視点チェンジされた瞬間から一気にギアが三段くらい上がった具合で話が唐突に突っ走ってくれます。 「ここでギア上げないとまずいだろう」という地点からの見事なギアチェンジ。 そしてそのままトップスピードを維持してひとまずオチを付けました、な具合。
正直、「え? 続くの? このままでも良いでない?」というまとまり形です。 けども、続くと聞いてなにやら嬉しくなったのもまた事実。 これは多分、ギアのあがった段階が非常に好みのノリだったからでしょう。 ある意味で普通のノリだけれども使い方が実に巧妙で、一回最初の「普通」を味あわせて階段を外して、あわ食っている所にはしごを差し出す見事なフォローをしてくるので、そこでガツンと気持ちを持っていかれたようです。 あー、この語り口もうちょっと読みたいなーという感じでしょうか。
にしても既に二巻の感想があちこちで上がってるのに今更一巻かよって気もしますね。 隣は隣、よそはよその精神で全く時流に乗らない感想を今後も書いていこうと思います。 たまには私に時流よ合え。