ネット雀鬼−

思いついた言葉をとりあえず書き付けてみる、お薬52日目。
つまりネット上に雀鬼さまが降臨するのか。
いちいちネット上を徘徊してるのか。
ネット中毒なのか雀鬼様が。
雀鬼様がみてる」のか。

「おまえら」
「裏すら・・・読めないのか」
押し殺した雀鬼の怒声が、にごりきった会場にこだまする。
雀鬼様の卓に集う雀士たちが、今日も能面のような張り付いたむっつり顔で、リスクの高い捨て牌をくぐり抜けていく。
汚れに染まりきった心身を包むのは、深い色の絶望。雀鬼様の機嫌を乱さないように、手元の配牌は翻らせないように、ゆっくり打つのがここでのたしなみ。
もちろん、フリテンチョンボで流局するなどといった、はしたない打ち手など存在していようはずもない。
 
雀鬼流雀鬼会
昭和後期創立のこの会は、もとは雀鬼の弟子のためにつくられたという、
伝統ある雀鬼流麻雀ゴロの会である。
東京都下。昭和の面影を未だに残しているガヤの多いこの地区で、雀鬼様に見守られ、
幼稚舎から大学までの一環教育がうけられる麻雀の園。
時代が移り変わり、元号が昭和から一回も改まった平成の今日でさえ、
十八年通い続ければ温室育ちの純粋培養雀鬼流打ち手が箱入りで出荷される、
という仕組みが未だに残っている貴重な会である。