感想 本田透「電波男」(ISBN:4861990025)

内容を要約すると、

 二次元をしゃぶりつくした上で、
 天下の本田透となる!
 
二次元である 二次元がモルヒネのように三次元を麻痺させているのだ

開幕から狂いきったテンションで話をどんどん推し進め、そのうち慣れるか? という予想に反してこちらが慣れるより先にさらにテンションがずんずんと上がり続け、294p「もうここでは「」と言わせてもらおう!」で完全にスイング・バイに成功し、数々の訓示を残しつつ、そのままあさっての方向に旅立っていく一大巨編に仕上がっております。 もう後半は、H2Aロケットがきちんと打ちあがった時の開発者のような心境というか、「クララが立った!」見たいな感じでわけも分からず感動させられました。
先日書いたように、構成要素の90%はツッコミ所なんですが、それにいちいちツッコンでいたら2〜3年位軽くかかるという圧倒的物量でツッコミを無効化していきます。 もう半ば「ええじゃないか ええじゃないか」という具合に脳みそがあったまってしまいました。
雰囲気としては「俺はすごい!」な自意識と「おりはだめだあ!」な自虐が、共に過剰に分泌されて相殺しあっているという風で、不思議と鼻持ちなら無い感じは皆無。 文章のネタ度合いが肌に合わないという人を除けば、もしかすると全オタ必読の書とすらいえるかもしれません。 いい過ぎですか、そうですか。