感想『TATOO BLADE 2』(ISBN:4829117451)

<市川丈夫:上田夢人富士見ファンタジア文庫:660円>

 内容を要約すると、「やっぱりナチが好き」
 笑いました。今まで、私はこのシリーズを「ガチのバトル小説」だとばかり思っていたのですが、この2巻目でそれが誤解であることに気づかされました。なんとこの作品は、「ガチのバトル小説」なんかじゃなくて、「ガチのナチ軍人萌え萌え小説」だったのです。主人公も、新キャラも、全部その為のだしでしかありません。
 ナチズム萌えじゃないです。ナチ軍人萌えです。というか、ナチズム自体は出てくるキャラに「ナチズムになんて興味はない」とか「本当は前総統も民族に固執する愚を」とか言わせてます。あくまでも「ナチ軍人萌え」です。
 で、この燃え萌えによって主人公が妙にナチ軍人に詳しくなったり、キャラに唐突にスコルツェニーの薀蓄を語り出したり、飛行機を一目見てその型番から南アメリカ仕様だという事までわかったり、うっかり“アフリカの星”が俺歴史設定によって性別がかわったりとかしてしまう事態に。特に最後はやりすぎですよ。爆笑しました。
 結局、そのせいで「バトル小説」というより「ナチ軍人薀蓄小説」、「ナチ軍人燃え萌え小説」になっちゃったわけですが、それはそれで楽しいかな、という自分もいたりします。読み方がトンデモ本の読み方、つまり「作者本人の意図とは違う読み方」で楽しめちゃったわけです。いいか悪いかは別にして。
 だから、続きもこの路線で攻めてくれないかなーとか、変なことを考えてしまうわけですが、さて、どうなるやら。