前に前編とか書いておいて中編も後編も書くのが面倒になっていたんですが、脳みそにひこびりついて離れてくれないので、とりあえず語りはせずに要約します。
中編ダイジェスト
- 富士見ファンタジア文庫は白地が少ない。
- それは長年の間、枠の中に絵を描くという方法がとられていたからである。
- ちなみに、最初期の頃は枠がなかったような記憶があるんですが、詳細が分かる人願います。
- 確か、「コミケ中止命令!」だったかがそんな感じだったような?
- さておき。
- しかし皆さん! 知っていますか!
- 富士見ファンタジア文庫であの枠内から「はみだし」始めたのは、2002〜3年辺りから。
- ただし! その程度というのは、ほんのちょっぴりに過ぎなかった。
- でていても、こん位です。
不死蝶めざめる―仮面武闘会〈3〉 (富士見ファンタジア文庫)
- 作者: 紙谷龍生,片倉真二
- 出版社/メーカー: 富士見書房
- 発売日: 2002/02
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- それが大きく「はみだし」たのは2003年。雨木シュウスケの「マテリアルナイト」の1巻から。
少女は巨人と踊る―マテリアルナイト (富士見ファンタジア文庫)
- 作者: 雨木シュウスケ,椋本夏夜
- 出版社/メーカー: 富士見書房
- 発売日: 2003/09
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- これはイラストの椋本夏夜さんへの特例措置だったのではないか、と推測するが詳細は不明。
- とはいえ、それがすぐに一般化したかといえばさにあらず。それなりに時間がかかります。
- そんな中の一例「ソード・ワールド短編集(19) 踊れ!へっぽこ大祭典」
- 2004年初期作ですがこれ以外ではまだまだ「はみだし」てはいません。
- この流れが変わるのが2004年9月。
- この年の新人による二作=「ご愁傷さま二ノ宮くん」と「約束の柱、落日の女王」で「はみだし」が使われるようになります。*1
- 作者: 鈴木大輔,高苗京鈴
- 出版社/メーカー: 富士見書房
- 発売日: 2004/09/16
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- 作者: いわなぎ一葉,AKIRA
- 出版社/メーカー: 富士見書房
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- ここから新人絵師だけではなくいままでイラストを描いていた人たちにも、これは伝播していきます。
- 例
魔法戦士リウイ ファーラムの剣 呪縛の島の魔法戦士 (富士見ファンタジア文庫)
- 作者: 水野良,横田守
- 出版社/メーカー: 富士見書房
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スクラップド・プリンセス・サプリメント4 竜乙女の変奏曲 (富士見ファンタジア文庫)
- 作者: 榊一郎,安曇雪伸
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- そして、この流れは最終的に2005年の風見周「殺×愛0」へと流れていくわけですよ。
殺×愛 0 ―きるらぶ ZERO― (富士見ファンタジア文庫)
- 作者: 風見周,G・むにょ
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- 富士見ファンタジア文庫であの枠内から「はみだし」始めたのは、2002〜3年辺りから。
- このようにして、今の富士見ファンタジア文庫の表紙は変化していったのであります。
- さておき。
- 全くの余談ながら「はみだす」、という方法は結構絵師の方で使う使わないがあって楽しいです。
- 比較的若い人が良く使う傾向がありますが*2、昔からの人でも結構上手く使い分けている人もいます。
- その筆頭は草河遊也でしょうか。
- たとえば「BLACK BLOOD BROTHERS (S)(1)」。
BLACK BLOOD BROTHERS (S)(1) ―ブラック・ブラッド・ブラザーズ短編集― (富士見ファンタジア文庫)
- 作者: あざの耕平,草河遊也
- 出版社/メーカー: 富士見書房
- 発売日: 2005/07/20
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- ジローのとんがり帽子を際立たせる絵ですね。
- たとえば「BLACK BLOOD BROTHERS〈4〉倫敦舞曲」
BLACK BLOOD BROTHERS〈4〉ブラック・ブラッド・ブラザーズ 倫敦舞曲 (富士見ファンタジア文庫)
- 作者: あざの耕平,草河遊也
- 出版社/メーカー: 富士見書房
- 発売日: 2005/11
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- これは逆に枠に収める=写真をイメージした形ですね。
- 是に近いもので(人は違いますが)「スレイヤーズすぺしゃる(26) ミッシング・セイント」というのもあります。
スレイヤーズすぺしゃる(26) ミッシング・セイント (富士見ファンタジア文庫)
- 作者: 神坂一,あらいずみるい
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- これは額縁ですね。
- また、全く使わない人もいます。いのうえ空さんなんかは特に。
召喚教師 リアルバウトハイスクール〈13〉 (富士見ファンタジア文庫)
- 作者: 雑賀礼史,いのうえ空
- 出版社/メーカー: 富士見書房
- 発売日: 2006/03
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- これは髪を上に流してもいいところを、あえて横に流す辺りはこの形が好きなんだなあと思わせてくれます。
- 全くの余談ながら「はみだす」、という方法は結構絵師の方で使う使わないがあって楽しいです。
- こういう見方をしてみるのも、たまにはよいかと思います。
- 後編書く気力がつきた…。
- そうか。書くとなると無闇に調べ始めてしまう自分がいるからやりたくなかったのか。
- 追記:後編珍説 色地に女の子