さておき。月ジャンが、と言う話が飛び交っているみたい。
 月間少年誌、というのは一体どこをターゲットにしていたのだろう。掲載作とかから鑑みて、青年誌と少年誌の合間くらいだろうか。自分の中の月ジャンの記憶は「ギャグ漫画日和」の自薦最高傑作「明夫」辺りで止まっているのだけれど。いや、「ハードとハードでダブルハードだな」辺りだっけ。よく覚えてないかもしれない…ぜ…。
 で、その頃の記憶を掘り起こすと、やたらバイオレンスな誌面だったような。バイオレンスじゃないのを探すのが、逆に難しかったような気がする。野球やサッカーですら、隙あらばバイオレンスだったし。あれで小学生辺りをターゲットにしていた、というのは無理がある無理がある。あんまりにバイオレンスしかなかったから、ギャグ漫画も記憶に残るのは、よりにもよって「エンジェル伝説」と「ギャグ漫画日和」位だものな。「エンジェル伝説」はともかく、「日和」はギャグというよりブラックユーモア、というよりも「柔道放物線」の親類縁者みたいな漫画だもの。明らかにどこを狙ってるのか良く分からんと言うか。
 んで、記憶にバイオレンスばかり残っているのは、もう一つ理由があって、一時期――丁度、「ギャグ漫画日和」が連載される前辺り――、連載作品が長期連載だけだった、というのもある。長期連載作以外生き残れない。いつ見ても同じ内容に見える紙面、という不思議現象が起きていた、と思うんだけれど、どうだっけ? とりあえず、野球漫画は4年位は一試合してた記憶があるから、満更間違いでもないような。
 こうもバイオレンスだと、その方向が行き詰ったらどうするんだろう。そう思っていた時期が俺にもありました。編集部のほうにもあったのでしょうか。確か4、5年前位から、新人を積極的に登用しようとしたり、方向の違う作品を増やそうとしたりしてました。
 が、それが上手くいかなかったしらん。いやいや、それだけでもない。
 たとえば、今現在、たくさんの漫画雑誌があるけれど、バイオレンスな作品を内包する雑誌はそりゃもう、大量にある、というよりバイオレンス主体の雑誌がかなりの量あるわけですよ。つまり、似たようなのがわんさとある中で独自色を出さないといけないのが、現状。その点で見ると、月ジャンのバイオレンス方向は固まりっぱなしだったのかも。
 特に、今時だとよくよく含まれる萌え方向が弱かったんではないか? と思うのです。最近、そんなには見てないですけれど、たまに見ても「相変わらずだ…」と思わせる紙面だった辺り、やっぱそうだったんじゃないかと。今時分、青年と少年の中間はニアイコールオタク、なわけで、その方にアピールがなかったのは、ジャンの名を冠していてもやはりつらかったのかも知れず。
 とか何とか思った一日。
 よく考えたら、だいぶん紙面変わってたような気もしてきた。勘で書くとろくなことが無い。