感想 皇城一夢 『風月綺』

風月綺 (富士見ミステリー文庫)

風月綺 (富士見ミステリー文庫)

 内容を要約すると「武侠とハードボイルドと推理の三身合体」。
 しかも時代がいわゆる文革の辺り。なにそれ! ばっかじゃないの? ホントさすが冨士ミス。こんな無茶な取り合わせでもなんくるないさぁ!
 さておき。
 こんな取り合わせですが、冨士ミスの伝説である、いわゆる壊拳よりは無茶をしてない、というある意味何故? 何ゆえ? な一品です。そのせいか、(あんまり得意じゃない)ミステリ視点でみると、妙に安全牌というか、そこを武侠的にしなかった安全指向というより良識を賛辞したくもあり、でも無茶しても良かったんじゃないかなー、という思いもあり、なんともいわく言いがたい味わいがあります。
 まあ、その後十分に武侠するので、いいか。←いいのかよ。←いいんです。いい感じにキャラ立ってるし、お話しもいい感じに悲業ですしな。いいなこれ。
 でも続きが一冊のみっぽいのがなあ。もったいないなあ。