感想 伊藤勢 『荒野に獣慟哭す 8』

荒野に獣 慟哭す(8) (マガジンZKC)

荒野に獣 慟哭す(8) (マガジンZKC)

 大体の内容。なんか後半から冒険活劇漫画から秘境探検漫画になってませんか? と言うくらいに秘境探検漫画。つーか生まれてはじめて見ましたよ、秘境探検漫画なんて。そんなわけで、この漫画の着地点は一体どうなってしまうんだとわきわきわききしていたら、なんだかマガジンZが終わるとかいうこの諦念……。この漫画どうなっちゃうんだよ……。と呟いてしまうくらいにはいい漫画です。いい漫画なんですよ……。どこがいいと言われれば、やはりアクション部分が目を引きますよ。その方向では神扱いの伊藤明弘に次ぐ、瞬間的には越える事すらある、一気呵成の大アクション。ああくまで映像の連なりで魅せる伊藤神と違って、色々細かいギミックを入れるのが持ち味。後、動なら伊藤明弘、静なら三輪士郎、合わせてなら伊藤勢、とか勝手に思ってみるくらいに動と静の使い方がいい、というのもあります。でも、本当にいいのは、真面目な場面にどうしても笑い、というよりは弛緩か、の瞬間を入れてしまう*1、そのサービス精神の良さが好きです。何度も言いますけどホントいい漫画なんですよ……。
 さておき。
 にしても、一番疑問なのは何故に一介の編集者がテコンドー使いなのか、と言う辺りでしょうか。いや分かってます。作者、伊藤勢の趣味だということは。「モンスターコレクション」描いてた時、可愛いだけのマスコットキャラが嫌いだとあとがき漫画で発言して、実際漫画上でキキーモラ
*2に攻撃させていた*3伊藤勢せんせなので、ナベちゃんが単なるにぎやかし状態なのは許せなかったんでしょう。そのせいで、自分の分身たる伊藤が凄いへたれ化してしまって、それはそれでよかったんでしょうか。と他人事ながら心配してしまいます。その辺もサービス精神かもしれないけど。
 9巻出るのかなあ。というか、終わりまでやれるのかなあ。無理かなあ。

*1:締める所はきちんと締めますよ

*2:簡単に言うとモンコレのモンスターの一種。特殊能力が高い効能を持っているけど、戦闘には不向き。イラストも可愛い系

*3:詳しく説明すると長くなるので簡単に言いますが、キキーモラの攻撃力は数値上は0です