感想 伊藤勢 『荒野に獣慟哭す 9』

荒野に獣 慟哭す(9) (マガジンZKC)

荒野に獣 慟哭す(9) (マガジンZKC)

 大体の内容。「俺達の戦いは本当にこれからだ!」。またか! また雑誌都合で連載終了か!
 「俺達の戦いは〜」とか書きましたが、マジで状況がその通りとしかいえない状態だからなあ。大体の「俺達の戦いはこれからだ!」は一応の(超展開でも)話のケリがつく、あるいは小休止的な部分が入る隙間が(超展開とはいえ)あるものですが、これの場合は隙間すらない、こっから怒涛展開が待ってるぜ! 待っているんだぜ! 待って……、うう。←たまらず泣いた
 ということで掲載誌死亡により、あえなくここから、本当にここからで綺麗に「俺達の戦いはこれからだ!」ってしまいました、たぶん歴史には残らないけど個人史には残しておきたいレベルの終わり方、けれども、ここまでで十二分に面白いから困る。8巻の秘境漫画状態を維持しつつ、アクション部分もジャングルフル活用でキビキビ動くぜ! という感じですか。自然を使ったあの手この手が描けるぜひゃひゃひゃひゃひゃ、という謎の笑いが聞こえてくるようでした。後、旧キャラで結構重要なキーを握ってそう、しかもじょじーだけど、やっぱりちゃんと戦うぜ! という所に伊藤先生を見たのですが、それはまた別の話。
 さておき、秘境漫画からアクションにと書きましたが、その辺は秘境漫画状態にしてたナベイトコンビが解消されてしまった辺りでベクトルを普通のアクション漫画に戻すぜ! という意思表示だったと解釈しました。でも今の所のコメディリリーフである伊藤さん流れちゃった……まあひょっこり生きてそうですが。コメディリリーフいなくてもコメるのが伊藤勢だけれど、今はそういっていられないような状況、……すぐ泣き終わるとか文化の違い的笑いはあったか。その手は楽しそうでいいなあ。まあ、これからはしばらく出てこない要素だろうけれど、というより第二部が無いとこれから以前の問題なんだけども。次の掲載誌どこになるのだろうか。あるいはちゃんと続くのだろうか。夢枕獏せんせの強権が炸裂したり、があるのだろうか。
 残留した伏線とかかなりあるので、どうにか、どこでもいいのでちゃんと出して終わっていただきたい。新装版、とか言われたら悩むけど、連載誌は追いかけるかもしれない。