感想 越智善彦 『マリーとエリーのアトリエ ザールブルグの錬金術師Second Season 1〜3』

 大体の内容。「ザールブルグ錬金術師さん達の毎日」。基本的に、とりたてて大事件が起きる漫画じゃないんで、ゆるーく毎日が過ぎていきます。ゲーム原作ですが、元のゲームも大事件より毎日を大切にしていくタイプで、出たての頃はなんか倒しに行くのがRPGが主流だった中では異端*1に分類されるゲームでしたが、今ではこの流れがわりとオーソドックス、というかかなりの市民権を得ていますから、ある意味時代が追いついたんだなー。と感慨深げ。特に漫画はSecond Seasonに入ってその色を更に濃くしちゃってますので、マジ今の時代の漫画だーなー。
 そして、この漫画のいい点というのは、このゆったりとした世界を、皆がコツコツと守っている、っていう辺りにあると思います。ゆるい系統でよく問題にされる、現実的脅威への対応、というものに対しての対応の話をちゃんとしてるわけですよ。それも、誰かが超解答で一発解決! みたいなのではなく、皆が思い思いにこのゆるいのを守ろうと、その人の出来る範囲で考えて、やっているってのが、なんというか地に足の着いた解答だよなー、って安心します。そうそう、アトリエシリーズはイベント一発じゃなくて、日々をきっちりこなして行くことこそが、ちゃんとした答えなんだ、っていう風に。
 さておき、前シリーズの最後でマリーが先生になって、でどうするの? って思ったんですがそれがそれがわりとちゃんと先生してまして、その事実を見た時はこういっちゃなんですけど、かなり笑いました。マリーなのに! とわりと失礼な事も思っちゃったりもしましたよ。ゲームのやり方によって相当の留年を重ねてる事になる、実際漫画でも最長パターン、あのマリーが! しかも今の所はきっちりと先生してるし。なんか変な感慨が。そして、自分のリアル年齢がマリーと接近している事実について戦慄気味にもなります。「エリーのアトリエ」で一気に歳取って離れたなー、って思ってたのに、ザールブルグ世界のゲームでの更新が無いから、いつの間にかこっちのが年上になりかけてますよ。なんてこったい。エリーの年齢? とうに越えたさっ!
 総じて、ゲーム知らないから、ってんでスルーしないで、読んでみてのお楽しみですよ、皆様方。って具合。ゆるい系嫌いじゃなければ、読んでみるのも一興ですぜ。ですですぜ。

*1:同時代的にただ生活するだけっていうワールドネバーランドとかもありましたね。この系譜ってつまりは今ではネトゲに流れて行く水路なんですが、これは門外漢なのとそれでも長くなるので割愛。