感想 三家本礼 『血まみれスケバンチェーンソー 1』

血まみれスケバンチェーンソー 1 (ビームコミックス)

血まみれスケバンチェーンソー 1 (ビームコミックス)

 大体の内容。どこで描いても三家本味。前に『ゾンビ屋れいこ』とか『サタニスター』を立ち読んだのと、風聞くらいがその判定基準な為、かなり言に信憑性がないと思っていただきたいのですが、それでもそれらも大体こんな感じだったなあ、と妙に納得を得る内容でありました。もっと言うと、凄い懐かしい味と言うか、幼少のみぎりに読んだホラー系漫画の味が、あまりに原色そのままで口の中に放りこまれたせいで、いきなり退行を起こして「なんかおもろい」としきりに頷いてしまうものでありました。それくらいに、ホラー系の持つどこに行くのか分からない無軌道さ、物語なんて知らないよな強引さ、そこはかとない馬鹿さ、そして臭うような血生臭さに満ち満ちている、そんな一作です。
 基本、とにかく無軌道且つ強引で、話の筋自体はその持てる科学力を背景に暴君化してクラスメイトをゾンビ軍団に変えたネロ(女)に、そのクラスの生き残りであるギーコ(女)がチェーンソーを持って敢然と立ち向かう、とこの段階で大体「どういうことなの…」タグが貼られること請け合いなものですが、実際に見ればいきなり本拠に近寄り過ぎたせいでわりとあっさり終わりそうだとか、このまま順繰りに出てきたら元のクラスメイト多すぎじゃね? とか、「いらんっ!!」「いれ〜っ!!」みたいな変なやり取りや、過剰にお色気部分を出してるけどその後がろくなことにはならんなー、と予想出来る所とか、メイン二人が一々異様な方向の濃さを持ちすぎているとか、とにかくこういう味に慣れてないとなにこれ? みたいな反応をしてしまう漫画です。
 だが、それがいい
 ホラー系漫画の持つこの独特の味わいというのが色濃く出ているので、そういう系に踏み出す端緒としてみるのも一興かもしれません。というか、これで駄目だと大概駄目、ってくらいそっち系の味わいすぎるので、ビームは迷走してるのか、グッジョブなのかわからんなー、とか思うのでありました。