感想 木々津克久 『フランケン・ふらん 6』

フランケン・ふらん 6 (チャンピオンREDコミックス)

フランケン・ふらん 6 (チャンピオンREDコミックス)

 大体の内容。「シリーズとしての味わいが出てきた一冊」。新キャラやら、懐かしのあの人やら、とにかく手を広げられる場所には嬉々として手を入れてくる、そういう手触りと言うか読み触りを感じます。ても、そこは木々津先生なので、それをそう使うのかよ! 的ぶっこみ感満載だったりしますが。Gの文化が花咲いた辺りと、新キャラ、ガブリールに対抗する為に取った策、が特に褒め言葉として酷かったです。その手はあるのは分かるし名案なんだけど、それ、人道面どうなの? と言う疑問に対しては、「おめっ、『フランケン・ふらん』に最も求めても仕方ないとこ求めてどうするんだよ!?」ってことでファイナルアンサー。ですよねー。とかいいつつも、珍しくいい話もありますよ。うん、…たぶんいい話。状況をひっくるめて考えると、その話もやっぱり人道的にどうしようもない気もしますが*1、いい話ったらいい話。ここまでいい話オチするのは珍しいので、それもまたシリーズとして続いてきた分の積み重ねがあってのもの、と考えられるでしょう。シリーズが続くって、いい事ですね?
 さておき。
 新キャラ、ガブリール周りの話は結構楽しかったです。粗暴粗野なのに狡猾だったりするし、部下の面倒見とかいいし、身体調整役である天使博士*2との妙な関係も見て取れるし、なにこの良キャラ。この巻で足止め&怒り覚まし作戦をされてしばらく出れない形になったのがもったいないくらいですよ。でも、あんまり活躍しすぎると血の雨降りまくりになっちゃうもんなあ。その辺、非常に扱いが難しそうですが、果たして次の出番ではどうなりますやら。
 最後に一言、Gの文化のとこで、ついにヴェロニカが変なキャラ立ちし始めてしまっております…。作中で一番真面目なのがいけなかったのか。慢心…環境の違い…。

*1:人間の脳を24人分繋げて、ってどう考えても人道的にアウトだ。

*2:斑木博士が一種異様な程、凡百の天才を越え過ぎてるだけで、天使博士も相当天才なわけで、つまりそれくらいの人じゃないと調整できない、というのは至極当然。