感想 木村太彦 『瀬戸の花嫁 十五、十六』

瀬戸の花嫁(15) (ガンガンコミックスJOKER)

瀬戸の花嫁(15) (ガンガンコミックスJOKER)

瀬戸の花嫁(16)(完) (ガンガンコミックスJOKER)

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 大体の内容。「大団円にしたいからって色々容赦ねー!」 基本的に連載終盤として駆動してた所でお休み期間が入り、そっからの復帰を果たした15巻と、最終回にまい進する気持ちを固めたとしかいえない程のごり押しをかました16巻、という区分けが実際には可能ですが、ここは一回でまとめた方が見通しがいい、と考えてまとめて語る事にします。そんなまとめ方してしまう理由の全端は某<聖人>風に言うなら、「ある人はこう言った。『やりたいことはやったものが勝つのだ。』と。」って感じの、色々したかったネタがあったんだけどもう最終回近いんだからがっつり消費していくぜ! 溜めなんてしてる間もないしな! って振り切れ具合でかっとんで行く様は見ていて眩しいものがあったからだったり。
 そんな最終巻なので、伏線とか絶対にノウ! の精神で出たとこ勝負をかましてくる為、なんというか上手い下手で言うと下手の部類に入るんじゃないか、という疑惑が生まれるんですが、でも最後まで一気に走りぬけた勢いを下手という言葉で表現するのは間違っているとしか言いようが無い勢いであり、つまり下手なの上手いので言うとなんなのって言われると凄いのとしか言い様がものです。つまり凄い。
 さておき。
 15巻はまだしばらく駆動する予定だったのか、ルナママが二つの意味で出てきたり、マサさんの正体がバレかけたり、剣士長のキャラが崩壊したりしてますが、妖精さん(実は偉い人)が出る辺りから終わりも意識してたのかなあ、と思われました。
 そして終わりに向けた駆動をし始めた15巻後半から最終巻へ。最終という事で、キャラ総まくりと相成りとなりまして、ああ、こいつ居たなあって思い起こせるまくり方となっております。ただ、連載長期化につき増えすぎた感のあるキャラがいるので、その辺はどうなの。といわれると、ユピテルなんでいたん? とか思わなくも無かったりする以外は満遍なくフォローされていたと思われます。特に明乃は師弟対決をしたり、兄に助けられたり、また師弟対決したりと破格の待遇であったかと思います。近しいキャラであるはずのユピテルは何度もいいますがなんでいたんでしょうね、ってくらいの存在感でしたが。
 で、そんな総まくりからの大盛り上がり大会、最後の戦いを経て最終回となりましたが、えと、その落ちでいいんですか? とりあえず落ちたから終わった、という不文律でもあるんか、ってくらいそこで終わりかよ! っていう終わり方でした。いやまあ、その前段階で大体終わりとしては正しいといえる展開してたので、そういう落ち方しても、大丈夫って言えば大丈夫ではあったんですが、でもやっぱり委員長の名前が呼ばれた良かったー、って終わるのは、『宵闇眩燈草紙』の衝撃的ラスト、「よしオチた!終わった!」を勝手に彷彿としてやや呆然でした。でもまあ、この漫画コメディ漫画だもんなあ。そういう終わりもありか。
 とかなんとか。