感想 八房龍之助 『スーパーロボット大戦OG ―ディバイン・ウォーズ― Record of ATX 5』

 大体の内容。「大決着!」。ゲームで言うならOG1の範囲を今回やってくれたわけですが、いやあ、ここまで綺麗に決着するとは、というのが第一声ですよ。こういうコミカライズは途中であやふやーに終わる事がありえる話ではあるものですが、この漫画に限って言えば見事やりきってくれて、しかも最後に大盤振る舞いの大盛り上がり大会。こっちも無茶だが相手も無茶。無茶が通れば道理が引っ込むのが世の常ですが、ここまで無茶なら道理ぐらい引っ込んでくれても全く問題ありません! それくらいのラストバトルにふさわしい戦いとなっておりました。スパロボって言うのも大体最後はこういう大盤振る舞いだもんなあ。そういう意味ではスパロボらしいとはこういうものと言えましょう。ここまで漫画という表現でゲームであるスパロボらしさが出た、というのは特筆点でしょうか。もう、バカ。
 というか、どんだけスパロボOGが好きなんですか、八房の人。2巻での歴史の間隙に消えるから問題ないだろうっていうガーリオンカスタムを捏造してきた八房の人でしたが、今回は色々あってパージされたハガネのトロニウムバスターキャノンを使っての天上天下一撃必殺砲という大捏造をしてくれてからにもうたまりません。燃えます。その色々あっての部分もやたら燃え燃えで、SRXになる辺りも燃え燃えで、しかも足の部分だけ合体に失敗しそうになる所をキョウスケがフォローして、そのフォローがあったから後でブレードキックでキョウスケのピンチ脱出でってももう燃え燃えするばかりじゃねえか! もう、バカ。
 基本的にこの巻はメカ戦主体です。キャラを描くのはもう4巻分積み重ねがあるから、その辺いいだろ! 俺は燃え燃えシーンが描きたいんだよ! 分かったか、分かったら散れ! とでも言われたかのような強引力。いや、キャラ全く掘り下げないわけじゃなく十分あるんですよ。主にキョウスケとエクセレン辺りは。エクセレンがキョウスケにベタ惚れ化するシーンとか、そのタイミングしかないけどそのタイミングかよって突っ込みたくなったりしましたけどありましたし。でも他が後退したというか、あまりなかっただけなんです。教導隊勢揃いの絵とか、そういうの描きたいんだろうなあ、って場面が多かっただけです。でも、もうここまで描いてくれたら最後の方は好きにするといいよ! もう、バカ。
 OG1周辺はこれで終了と相成りましたが、なんかお銀ことアニメ版OGジ・インスペクターのコミカライズもやってるという事で、もうしばらく八房OGが見れるんだなあ、と喜ばしい気持ちになります。出来るなら、それも終わりまでつつがなく邁進んでいただきたいものです。