感想 異識 『あっちこっち 4』

あっちこっち (4) (まんがタイムKRコミックス)

あっちこっち (4) (まんがタイムKRコミックス)

 大体の内容。『愉快痛快ニコニコニヨニヨ』。3巻で致命的な致命傷というか、一気にぐっと縮まるか、伊御さんとつみきさんの仲! と思った時期が俺にもありましたが、当然のようにそんな話はがっつりしてこないのが、この『あっちこっち』と言う漫画。3巻のあれはイレギュラーだったとしか言い様が無い進みの進まなさ。いやまあ、今回もちょっとはありましたよ、ちょっとは。でも、皆でわいわいニコニコがこの漫画の基礎トーンですので、あっても本当にちょろっと、という体たらく。ってのに、それでも十分にドキドキニヨニヨ出来るから、凄い漫画だよなあという感想がしきりに浮かんできます。伊御さんとつみきさんはもう完全に付き合ってしまえばいいんじゃね、とは特に思わないのも凄いよなあ。このままの空気を末永く見せて欲しい、って思ってしまう。それだけ、この漫画空間が心地よいって証拠なんだろうなあ。
 さておき。
 たまにある普通のニコニコニヨニヨとは違う味わいの回、というのも今回も常備されており、それが全三回でお送りされたニャンデレラ回となります。今まで長期キャンペーンなんてした事がなかった『あっちこっち』において、それゆえに最異色回となったニャンデレラ回ですが、しかしシナリオの妙とこの作品らしさが非常ににじみ出る、味わい深い仕上がりとなっておりました。三回のうちできっちり山あり谷ありオチありしており、キャラの立ち回りも実際のキャラとニャンデレラでのキャラとがきっちり絡み合っていい味だし、ついでに伊御さんとつみきさんの仲にも影響があるようなないような、という部分もあり、まとめてみるとその完成度という物を実感できるのでありました。底力すげえー。
 さておき。
 他に好きな回は第二回昼休み放送の回でしょうか。ポイズン。もいいですが、「桐野は可愛いな」のパワーが\すげえ/ 伊御さんの天然ジゴロっぷりはどこまで進んでいくんだろうか。そういう戦慄すら植わってくる回となっておりました。こういう側道でもしっかり楽しい日常を演出出来る、ってのはやっぱり感服しきりです。伊達に長く続いてないわー。