感想 画:ヤス 原作:久米田康治 『じょしらく 1、2、3』

じょしらく(1) (ワイドKC 週刊少年マガジン)

じょしらく(1) (ワイドKC 週刊少年マガジン)

 大体の内容。「女の子の楽屋トーク!」

じょしらく(2) (ワイドKC 週刊少年マガジン)

じょしらく(2) (ワイドKC 週刊少年マガジン)

 大体の内容。「女の子の楽屋トーク?」

じょしらく(3) (ワイドKC 週刊少年マガジン)

じょしらく(3) (ワイドKC 週刊少年マガジン)

 大体の内容。「女の子の楽屋トーク、と思っていたのか?」
 基本的に女の子噺家が楽屋で特に意味の無い話をする漫画、というのは初期の話。回を重ねるにつれ理不尽な台詞回しに絵が振り回される形になっていきます。実際問題として、初期のなんでもない会話をくるくる回す辺りの久米田味だなあ、と思っていたのに、思っていたのに! 意図的に他の漫画、つまり『絶望先生』ノリに近づかないようにと言う配慮が見え隠れするので、その為に変な話にシフトしていったのでは、という理屈は理解できますし、そういう風になったのも全然OKでしたけれども、そのせいでキャラの持ち味が初期と三巻範囲内ではかなり変貌を遂げているのが結構悲しかったり。キグちゃんの天真爛漫キャラのキャラ付けにけっって言う辺りとか非常に好みだったんですが、見事に普通の天真爛漫キャラになってしまって…。けっ、がなくなっただけで実際はまだ腹黒なのかもしれないんですが、それでもそれが描写されないのが勿体無いというか。
 さておき。
 女の子がカワイイヤッター!を満喫する為に台詞回しだけしていく漫画という側面がある、この『じょしらく』ですが、やっぱりそれも一巻範囲内程度まで。それ以降はどんどんカワイイヤッター!な女の子が理不尽な目にあっていく事でそれでもやっぱりカワイイヤッター!する漫画となって行きます。とりあえずマリーさんが可愛いですね。江戸っ子調の台詞回しがカワイイヤッター!なのを助長してくれます。でも付け焼刃だというのが3巻のおまけで明かされたりしますが、でもそれはそれで更にカワイイヤッター!ですよ。いじられやすい体質なので、そうなると久米田味だと酷い目に遭う場合が多くなりますが、確かに1巻2巻では酷い目にしっかりあっていたものの、3巻ではそうでもなくなっていたり。いやまあ、3巻は丸京が酷い目に遭いまくりんぐだったせいですが。というか、3巻の丸京の酷い目ラッシュは一体なんだったのか。この漫画では酷い目に遭うキャラがいないと話が回らないのではないか、という疑念がふつりと湧いて、そして実際その通りっぽいなあ、と理解出来てみたり。そういう意味では、そういう目に遭いにくいキグちゃんとかそもそも護身完成しているテトラとかは話の端にしかなりえないんだろうなあ、とか。まあ、端でも存在感あるからいいのか。特にテトラは端度が高いけど大体の変な事の発起人だし。
 そういえば、ヤスといえば病んでいる方のヤスが私の中で有名ですが、この漫画では原作があるので無理が出来ないんだろうなあ。でも、なんとなく病んでいる方のヤス感があるのは、似たような属性を持つ久米田康治原作だからでしょうか。変な所で見事な組み合わせが生まれたもんだ。
 好きな回は1巻がマリーさんの変なツボが浮かび上がる『ヤンキー怖い』。2巻がマリーさんのパジャマ姿と裸体がエロい『ふだん問答』。3巻が丸京いじり最終回『お開票』。3巻まで全部の中ではやっぱり『お開票』が凄い意味でむちゃくちゃでしたね。お前丸京どうしたいんだよ、というのが最高潮に。最高潮になったのでこれ以上丸京いじり続けられなかったみたいだけど。良かったね、これで終わってよかったね…。
 とかなんとか。