今回のまんがタイムきららキャラット三作取り上げ(2012年1月号)

承前

 まんがタイムきららキャラットから三作を取り上げて、それぞれについて感想を書くという試みです。たまに数が増えたり減ったりする予定ですが、まあそれはそれという事で。
 選ぶのはある程度の方針として、前、中、後と衛の定点観測としたい所ですが、それでもほぼ自分の趣味が全開になってしまうでしょう。これ、と言う作品のが最終的に出来る場合も考えられますが、それならそれでいいかなあ、程度のゆるい縛りで行こうかと思います。
 それではいってみましょう。

蒼樹うめひだまりスケッチ

 有沢さんなんていらっしゃいましたな。という事でゆのが有沢さんと久しぶりに会うという話。『ひだまりスケッチ』の終わり、というのは誰しも考える物ですが、その終了時期は意外と近くにあるのかもしれない。とか思ってしまう内容でした。一区切りとして紗英さん達の卒業が挙げられますが、そこで終わるのは如何にも違うのではないか、とか今回の話の顛末を見るに思ってみたり。繋がってられるよね。ゆの達なら。
 さておき、有沢さんってあまり登場しないというかほぼ登場してないキャラをこういう話に持っていく為に上手く活用している、という点はやっぱり上手いなあ、とか。この為の布石として登場してたのか、と思うと遠大な伏線だったような気がしますが、まあたぶんそうじゃないですね。基本四人の外側、卒業する人、という位置を更に一歩進めてみた、という事でしょうか。長期連載なら出来る!長期連載だから出来る!って感じですわね。

平つくね『ラッキー・ブレイク』

 今明らかにされるちゃこさんの就職秘話。りくの就職が変にとんとん拍子だったので、普通に就職する話としてこの回が生まれたのは職業漫画としては当然あり。りくが漫画かお前は!まあ漫画だけど!な勢いだったのと対照的な逡巡のある展開、就職するってなんだろう、という話でもあったのも興味深いものでした。社長の人タラシっぷりはここでも発揮されているのも趣深いです。この人、ホント偶然の産物で引き入れるってのが多いよなあ…。だから赤井さんのナンパです発言は大変しっくり来ると感じたり。そしてそういう偶然の産物だからその時の事記憶にございません、という危ない橋を渡ったりするのもまた妙味というか。社長ホント…。
 さておき、今回の私の好きなキャラであるデイさんの活躍場面は水族館で働きたいと言ってみたのと、入社のきっかけを聞かれて飲み屋でDJしてたらスカウトされた、と言っただけでした。計6コマというサブキャラらしい控えめな出番ですね? しかし水族館で働くのとデザイナーとでは方向性が真逆なように思えますが、どうしてそういう方向性に向かってしまったんだろう。それもまた職業との相対としてはある事ではあるんですが。まあでも、デイさんだからなあ。

☆画野朗『もこもこBOX』

 ドーナツ作ってー、の念を送る辺りが最高潮に実際カワイイヤッター!でしたね。基本カワイイヤッター!しかないという凄い男だもとい凄い漫画だ、な『もこもこBOX』にあっても指折りのカワイイヤッター!場面ではなかったでしょうか。後、陣取りがどんどん脱線していく辺りもまた特に何も無いがある漫画としては素晴らしい脱線っぷりでした。だからどうした、という向きはそもそも『もこもこBOX』を見る受容体が無い体質だと思われますので、軽く流すようになさってはいかがか。←謎提案。
 さておき、それ以外の見所はもこもこ髪の子に絡んでもこもこ遊びする辺り。ここもカワイイヤッター!でしたね。というか、カワイイヤッター!以外この漫画にあるんだろうか、あ、ねい。という戯言すら口をついてしまうくらいに可愛い一辺倒ですが、それでも色々な手腕を見せてくれて毎回楽しませていただいております。なんか掲載位置が後ろになってきてるのがどうしても打ち切りの匂いを感じたりしてしまいますが、ま、まあ大丈夫だよな。