今回のまんがタイムきららキャラット三作取り上げ(2012年5月号)

承前

 まんがタイムきららキャラットから三作を取り上げて、それぞれについて感想を書くという試みです。たまに数が増えたり減ったりする予定ですが、まあそれはそれという事で。
 選ぶのはある程度の方針として、前、中、後と衛の定点観測としたい所ですが、それでもほぼ自分の趣味が全開になってしまうでしょう。これ、と言う作品のが最終的に出来る場合も考えられますが、それならそれでいいかなあ、程度のゆるい縛りで行こうかと思います。
 それではいってみましょう。

平つくね『ラッキー・ブレイク』

 社内コンペで見事採用の栄誉を勝ち取った陸とちゃこさん。それを持ってクライアントの所に行ったはいいものの、そこでライバル社のデザインが昔のちゃこさんのそれで…。
 今回の重要ポイントはライバル社の人がちゃこさんの昔のデザインをまんま持ってきていたという、お前仕事しろと言うのと、それが陸のデザインに負けた、という事。どっちもちゃこさんにはダメージのでかそうな案件で、次の回がしっかり楽しみになったんですが、でもちゃこさんは陸と共著状態とはいえ、昔の自分を越えたんだから、負けと簡単に断じるのは、とか外野は思いますが、本人からしたらやっぱり負けってダメージでかいのかもしれません。今まで格下と思っていた相手がそうなっていると、特に。ここで陸さんがどうちゃこさんと相対するか、が次回の焦点でしょう。
 それとは関係なくデイさんですが、コンペ負けて陸の成長に対して色々思う所があっていじわるする辺りがなんか可愛いですね? 後、新参者にいじめの方向性を移そうと思ったら相手がパワータイプ、カチカチ鏡餅を包丁で八つ裂きに出来るパワーファイター、だったのでやっぱやめという君子危うきに近寄らずっぷりも良い者であったと思います。勝てる相手にだけ戦いに行くその駄目さがいいですね?

ハトポポコ『平成生まれ』

 藤井バカすぎる\やべえ/。と、特筆する位今回も藤井がバカでした。犬ってドッグって言うじゃない? ドッグも犬の意味なのよ! 辺りの壮絶さはなかなか腹筋に去来するものがありました。というか初見ではお前は一体何を言っているんだ感が凄くて、一瞬訳が分からないせいで目が止まる藤井・ザ・ワールドぷりでしたよ。平成のバカ兄弟枠は藤井と吉村の二人で決まりだね!
 それとはあまり関係ありませんが、今回は佐藤が脱ぐという衝撃的展開も。上半身下着姿なのにびたいちエロくない、微エロすらない辺りが流石とすら言えました。実際平坦なのに加えて、上半身が間延びしている点、そして絵柄もエロさが微塵も無いゆえの結果ですが。でも、それでも、下着姿なんてのを載せて大丈夫なきららという場になにか強い感慨すら覚えたのでありました。でも、ホッッッッントエロくなかった。コップ(器の方)になった原田さんの方がまだエロスだったような…。

双見酔『セカイ魔王』

 魔王様は大変、と言う話。魔物が全く使役出来ない魔王って珍しいよね…。その辺をぐるぐるするのが今回の肝の一つでしたが、流石に魔王様が可哀想になってきたりも。話出来るのが軒並み性格に難がある、という設定が地味に効いて来ていて、上手し! と何様調で思ったりも。
 今回終盤の展開も、地味に上手い。どんどん人間と魔物との軋轢が強くなってきている、そしてそれに組しないけど魔物な人達も、それに巻き込まれて、という流れ。そして哀愁というか、切なさ、やりきれなさが残った形でした。二巻終了ペースかと思ってたけど、思ったより長く続くのかな、この漫画。