感想 娘太丸 『うさかめコンボ! 2』

うさかめコンボ! (2) (まんがタイムKRコミックス)

うさかめコンボ! (2) (まんがタイムKRコミックス)

 大体の内容。「愛の物語はここから始まるのです!」。うさぎさんと亀子さんの愛の物語もそうですが、さっちんとメグの愛の物語も、この巻収録最終回で始まるのです。友情以上恋愛以上という言葉がぴったりと来る、そんな関係性が持ち味だったこの漫画も、2巻で最終巻となりましたそしてこの諦念…。
 この巻では百合、というよりは夫婦のような関係なうさぎさんと亀子さんの仲より、さっちんとメグの愛の方がクローズアップされていたように思います。いや、うさぎさんと亀子さんの話の方も、最後に向かってきっちりと仕上げられていたんですが、それよりも二人で無人島(学校所有)の点検に行った話での二人の愛の劇場の方と学園祭終盤とか最終回最後のコマが混ざり合って、さっちんメグという公式の方が気になったと言った方がいいでしょうか。実際、無人島回はさっちんに対して色々な想いをメグが持っているのがはっきりとさせられ、学園祭終盤によって更にメグが良い子良い子となり、ではさっちんは? というのが答えられないまま最終回に突入、そしてあの台詞、となってしまったので、なんか持ってかれた感満載でした。愛とは……。悲しみとは……。←最近好きなフレーズ
 さておき。
 キャラ的な話をすると、上でも書いてるようにさっちん無双というか、妹も登場しつつーの、メグとの逢瀬ありつつーの、新会長選任ありーの、と激動のさっちんだったかと思います。ツッコミ役がここまで推し進められた背景というのを考えると、基本的にツッコミがないと成り立たない所があったのかもなあ、とか。基本的にボケ要素持ってる人が多すぎる生徒会なんや…。でも、さっちんも意外とボケる時があったりするので、そう考えると総ボケだったのか…。というのに戦々恐々。よく回ったなあ。
 さておき。
 最終巻なので総括してみますが、この漫画がどういうものだったか、というとコミカルという言葉がしっくりくる、テキパキハキハキシャキシャキとしたテンポが味わい深い漫画だったと思います。基本的に娘太丸せんせの前作『こどもすまいる!』のノリとそれほど変化があるわけではないんですが、あれよりメインの登場人物の年齢幅が安定してる分、よりやりやすかったのではないか、というのが作品のノリから感じられました。前は幼児がいたから、学園での話がとかほぼなかったからねえ…。そんなわけでなのか、この巻でも1巻のように学園祭話してましたが、この辺りは前にもやったから、違う魅せ方見せてあげますよ! という気概があったように思いますが、それよりも良くあるネタではある放送ネタできっちりボケっぱなしをやってた方が印象に残っています。さっちんいないから亀子さんがわたわたながら大変頑張ってたのが良いですよね! そしておっぱい大きすぎる…。巨乳だとは思っていたけども…。巨乳、なんと聞こえの良い言葉かー!
 話が逸れて来ましたのでもういい加減まとめますと、しゃっきりとした味わいを損なわぬままにうさぎさんと亀子さんの話を綺麗な形で終えられた、というのはこの漫画にとっては大変良かった事だと思います。なんというか、打ち切り臭は漂うものの、それでもそこまではちゃんとさせてもらえた、というのが、そこまでの待遇を得られなかった漫画達の事を思うと、素直に良かったと思いたいです。その上で、もう一段見せて欲しかったかも、とかも思いますけどもね!