今回のまんがタイムきららキャラット三作取り上げ(2012年7月号)

承前

 まんがタイムきららキャラットから三作を取り上げて、それぞれについて感想を書くという試みです。たまに数が増えたり減ったりする予定ですが、まあそれはそれという事で。
 選ぶのはある程度の方針として、前、中、後と衛の定点観測としたい所ですが、それでもほぼ自分の趣味が全開になってしまうでしょう。これ、と言う作品のが最終的に出来る場合も考えられますが、それならそれでいいかなあ、程度のゆるい縛りで行こうかと思います。
 それではいってみましょう。

蒼樹うめひだまりスケッチ

 この面子最後と言えるクリスマスイベントに、なんと夏目さん加入! といったからといって、格段に変化が強くなるわけではなく、むしろ自然にひだまり荘の面々に組み込まれている夏目さんが印象的な回となりました。ノリ的にいつもの『ひだまりスケッチ』であるなあ、という雰囲気。ちょっと異分子入っても、どうとでもなる辺りが不思議というか、夏目さんみたいにポカーンしちゃいましたよ。でも、これで夏目さんの出番はもうないのかもしれない、と思ってしまう辺りが夏目さんクオリティ。いやだって、紗英さんとここまで絡めたらもう夏目さんすること無いじゃん!←言い過ぎ
 この回では夏目さんが紗英さんの小説、しかも短編をきっちり読み込んでいるのも印象に残りました。あれだけしっかり感想が、感じた事が言えるって夏目さん本当に……。この場合の報われるってどんな事か分からないですが、でも、何かしらの形で報われて欲しい、そんな気持ちになるのでした。

双見酔「セカイ魔王」

 魔物、食ってみよう!の巻。火で炙ってもお湯で煮てもサラサラ…。していく辺りが無常感があって良かったと思います。基本的に魔物は魔力の塊とか、そういうものだから死ぬと消えるのかしら。だからって生食いしたら味が無いというどうしようもない存在で、こんなの増えても確かに得が無いとは思って見たり。たまに美味いのもある、というけど、大体まずいんだろ? いややわあ。その辺、普通の人間とか動物とかとは何か違う生命なのではあるんだろうけど。
 後、パンツ被った魔物の即物的変態性というかあまりに分かりやすい変態度合いが凄かったのも記憶にへこびりつきました。分かりやすいというか分かりやす過ぎて逆に思いつかない造形。そういや、強い魔物は変態だったんだっけ……。

ハトポポコ「平成生まれ」

 「夢でバケモノがすごいおいしそうに中川さん食べてたよ」の衝撃度合いと原田さんの不可思議さ、そして中川さんの慄きだけで一本使い切った辺りが良い感じにミックスされて凄い脳に記憶される一本となっていて、ああたまに凄い球来るよな、『平成生まれ』って思わないとやってられないですよ! 後、藤井さんのバカな台詞と吉村の変な受け答えで一本で今回自体を締めるセンス! 脱帽するぜ…。