感想 田口雅之 『ブラック・ジョーク 7』

ブラック・ジョーク 7 (ヤングチャンピオンコミックス)

ブラック・ジョーク 7 (ヤングチャンピオンコミックス)

 大体の内容。「パペット編終了から第四の果実編へ」。まずパペット編終了について。ある意味においては予測不能、ある意味においては予測可能なその終了劇に一家言ある方もございましょうが、あんなグダグダが延々続いても仕方ないよね、というさっぱりとした割り切りすら勝手に邪推出来る位の台無し感が素晴らしいですね。何だよの茶番劇は! という怒りも、その割り切りっぷりを見れば少なくともそうか、怒ってもどうしようもないんだな、という理解に辿り着けると思います。だから、俺のオリキャラは超強いするの楽しいですけどたまには違うやり方をですねー!
 という叫びは、今回は違う形を見せてくれたので引っ込めざるを得ません。それが第四の果実編。いつもの超強い設定で無双するか、と思われたあかりが謎の相手に思わぬ苦戦をする、というので相手の凄さを見せるという、珍しい噛ませ犬扱いでありました。これはこの漫画では本当に稀でレアなケースであります。いつもは強そうな相手登場→瞬殺! で噛ませする暇すら与えられないんですから。そう考えると、相手がかなり無茶且つ謎っぽいのもあいまって、今回は小玉も苦戦するのでは、と思ったらそんな事は当然無かったぜ! 水中に沈めればこっちのもんよ! というどこぞのゲッター3かお前、というので対抗していたりしました。銃撃も斬撃も効かないという相手にとって、確かにその手、酸素切れが一番有効打っぽいので、その手があったか! と喝采は出ましたけれども、やっぱり無双しちゃうのかー。
 さておき。
 俺のオリキャラ超強い、という基本姿勢はパペット編と第四の果実編の合間に挿入されたジョニー編でも存分に発揮されます。いつもは木っ端悪党という存在感で死なないのだけがとりえと言えたジョニーですが、今回は三話中二話では駄目っぷりを遺憾無く、且つ否応無く存分に見せ付けるという醜態を晒しに晒したのですが、最後の一話で田口マジックが爆裂、ジョニーがまさかのいい所総取りという結末となりました。ジョニー自体、アドミラルジョニーの時とか、かなり頭のいい作戦を考えていたわけですが、それ以上に吉良が頭良かったのと小玉が異常に強かったから一敗地塗れたのであり、そこまででない相手なら意外と何とかなるのか、というのを驚きもありますが、でもこれも俺の考えたキャラ超強えーですよねー! と思ったりも。ジョニーらしい勝ち方であった、というとその通りですけれども。けれども!
 次の巻は全然謎ばっかり振りまいて二回前のパペット編を彷彿とさせ過ぎる第四の果実編の終息が見れる、といいなあ。あんま長々する内容でもないんだろうけど。