感想 ヤス 『じょしらく 4』

じょしらく(4) (ワイドKC 週刊少年マガジン)

じょしらく(4) (ワイドKC 週刊少年マガジン)

 大体の内容。「今日も今日とてガールのトーク」。ガールズトークと言うには華が無いというか地味と言うかぶっちゃけ久米田味過ぎるので、あいだに「の」が入ったわけですが、今回も今までと特に変わらず、言葉なネタから謎の展開をしていくスタイルであります。3巻で謎の不遇を囲った丸京も普通に平常運転。当然、他の四人も通常通りの平常運転。それが何かが狂ってる。それが『じょしらく』4巻なのです!
 さておき。
 3巻が丸京の謎の不遇が際立った巻であるとすると、4巻はマリーの奇妙な不遇が際立った巻と言えましょう。一人タイミングがずれるのをこき下ろされて入院する羽目になったり、逆バウリンガルを無理やり装着されて後マッポにとっ捕まったり、画面効果の罠でぽわぽわした映像を提供したり、マッパになってまたマッポのお世話になったり、と、どうしてこうなった…。という展開の連続。この漫画は誰か不遇にならないと話進まないんですか? という疑念は当然沸き立ってきますが、今までの久米田漫画は大体誰か不遇にならないと話進まなかったよなあ。と記憶から洗い出せば、成る程、これもまた久米田味なのだな、と理解可能ではあったりはします。納得はしませんけどね! 前の丸京とかマリーとかがなにしたって言うんや!
 そんなマリーの不遇が無い回でも、誰かが不遇なのですが、その中で断然トップなのが犬が恐れ戦くばかりという亜空の展開の「二十九日目/狩るなら今」。基本的なスラップスティックの芸当である、文化の違いのせいで行動の意味が分からないから恐れ戦く、というのをやってる回ですが、恐れ戦くのが上でも書いたように犬。この犬がそれなりに利口だけどやっぱり犬だよね、という程度の知力を持っているがばかりにマリー達の何気ないクリスマス行動に一々恐怖を覚える、という体たらくとなっております。狩りの知識とかはあるのは本能なのかしら、って感じですが、大体の行動に対して狩りの用法を当てはめ混乱する様はまさにスラップスティックの王道。でも、犬。でも、犬じゃないとそう考えないかも、という理解も出来るので、正しい配役だったのかなあ、とも。いや、普通犬がそこまで考えるはず無いじゃん? そうかもな!
 そんなわけで、次の巻も誰かが不遇で、でも手寅だけは無風地帯にいるんだろうなあ。と理解が進んできたせいでその話を一々入れてこなくなった、4巻なのでした。