感想 逢空万太 『這いよれ!ニャル子さん 1』

這いよれ! ニャル子さん (GA文庫)

這いよれ! ニャル子さん (GA文庫)

 内容を要約すると、「僕を守ってくれるあの子は邪神様!?」。うっわ、これだけでほぼ内容書いたも同然じゃないか! というくらい本当にそこだけという一点突破型ライトノベル、それが『這いよれ!ニャル子さん』なのです! とはいえ、その一点突破は逆にこのライトノベルの強みですらあります。それだけの内容だけど、それだけにスパッと一言で決まって過不足が無い。そういうものだと言う理解がすっくりと来る。そしてどういう内容なんだろう、と読みたくなるオーラがあるのは、それだけで強いんですよ! 確か新城カズマさんが『ライトノベル『超』入門』とかで言ってた。←記憶違いのやっつけジョブ
 「おいおい、内容それだけで楽しめるのかよ? エド戦争、戦ったワケ?」という難癖はございましょうが、そこに関しては「ラノベはキャラだよ!兄貴!」という言の葉でカウンターかましたい所です。それだけキャラ、特にメインパーソナリティーであるニャル子さんのキャラが立ち上がりまくっておりまして、もうこのキャラだけでこの話は成功しているとすら言える程であります。銀髪碧眼の美少女が超強いって凄くね? しかも自分にいきなりベタ惚れ好感度MAX。しかもオタ趣味も完備。ある種オタのストライクゾーンど真ん中の中に全力投球してぶっこまれたようなキャラが、ニャル子さんです。それに対する視点キャラ真尋さんの特徴の少なさも、ニャル子さんのぶっこみ具合に対するカウンタ−として立ち上がっている位です。ニャル子さんが超絶攻め攻めだから、それに対抗するようにツンと武力も持っている辺りも良く出来た対比であると言えましょう。この二人の基本がそのままこのライトノベルの基本としてあり、それゆえにそこを生かしつつ、ストーリーラインすらつまとしてキャラを立たせる方に力を入れるという異常も成り立つってな無茶をやっている事が脱帽レベルです。アニメから入ったにわかではありますが、流石にライトノベルの世界はこういう暴虐が成り立つから凄いなあ、という思いにすら駆られるのでありました。ある意味タツジン!
 さておき。
 先ほどストーリーラインすらつま、と書きましたが本当にストーリーラインは適当です。ギリギリ話が成り立つレベル以上の物を持たないと書いた方が正しいかと思います。なんで真尋さんが襲われるのか、の回答がドラマに使いたいから、というのは中々凄い理屈だと思いました。普通にスカウトしろよ。でも、やるのが陵辱物だったし、値求人が保護対象でもあるから、普通にスカウトは無理だったかも、なのは分かるんですが、浚って使うのも同じ位無理があると思います。何考えてんだお前ら。この辺の伏線とは投げ捨てるもの(キリッ っぷりは本当に凄いと思います。成立するんだからなあ。
 とかなんとか。