感想 越智善彦 『マリーとエリーのアトリエ ザールブルグの錬金術師 Second Season 5』

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 大体の内容。「今日もザーツブルグは平和でせう」。大体の脅威が無くなってしまったザールブルグですが、だからと言って人々が進展をやめるかと言うとそういう事は無く、今日も今日とてマリーさん達は錬金術を生活にどう生かすか、というのにまい進いしていきます。そのペースがあまりにゆっくりで、こ、こは何事…? と怯えすらはいるじっくり感で、これが既に作品としてはオワコンと言われるものだからこそ出来る妙味! それが『マリーとエリーのアトリエ Second Season』5巻なのです!
 実際問題として、アトリエシリーズは未だに手を変え品を変え、続いてはいます。しかし、「ザールブルグ」シリーズは、となると正直オワコンではあります。ですが、だからなんだというのだ! という力強さをこのマリエリ2ndシーズンは持っています。ゲームの中の話は終わったかもしれない。でもこの子らはまだ生活してるんやで! 生きているんや! という幻聴が聞こえてきて確かに幻聴です。ですが、オワコンから、全てが始まる。そんな事もあるのだと、この漫画を見ていると思ってしまいます。いや、そもそも何も終わっていないんだ。好きなゲームを好ましい作家さんが続けてくれているんだ。そう思うと、なんだかとっても、ありがてえじゃねえか…。(CV稲田徹
 さておき。
 今回は大体三つ位並行的に話があり、というかまあお題がありと言う方が正しいんですが、とにかくあり、一つがアイゼルの家の農業試験場の話。一つが廃棄物から出来た謎のものの探求。一つがちょっと前からやってたしゅわしゅわの活用法について。それを絡ませて、それについて色々試行錯誤していく様を見せるのが今回だったか、と思います。特に謎のもの(何故か転がって丸まろうとする黒い玉。今の所本当に謎)を探求していく辺りは地道に地道を重ねる展開で、これまだしばらく掛かりますかね、という物でした。じっくりしすぎだろ! とも思いますが、それがこの漫画の持ち味ですので、ゆっくり見ていきたいと思います。でも、アイゼルの農業試験場とか、大きな話になりそうだけど、どう決着するんだろうとか、ゆっくり見たいけどそれが許されるのかどうか気になる事ばかりなような気もします。大丈夫なのかなあ…。
 とかなんとか。