感想 空木あんぐ 『聖ジョルジュ女学園暗黒料理研究会タベルナ 1』

 大体の内容。「作る!食う!食う!ボケる!ボケる!ボケる!」基本的にボケが多いというか、サクヤちゃん以外全員ボケなので、基本的に皆好き放題にボケボケして、サクヤちゃんが突っ込んで、突っ込んで、たまに諦めて、そんな中でありえない系食事を作っていく、それが『聖ジョルジュ女学園暗黒料理研究会タベルナ』なのです!
 なんとなく作ってるより食べてる場面の方が多い、そしてそれ以上にボケてる場面が多いという印象ですが、基本の4人の内3人がボケという脅威のボケ率なのでそれもやむなし。アイちゃんは天然系豪食で油断すると何か食ってるし、レンゲちゃんはクール系なのにボケでたまに変な方向に向かうし、スー先輩は色々力強くボケで手がつけられないし、なのでツッコミのサクヤちゃんが大変大変という状況になっています。しかし、ツッコミがサクヤちゃんしかいないので、この漫画が成立する為にはサクヤちゃんが突っ込むしかなく、なのでサクヤちゃんがボケの理不尽に耐えつつ突っ込む様を見るのがなんかこう、恍惚としてきますよね…。←サドい
 そんなボケボケの3人+ツッコミの1人が行うのは、料理部的活動。的、としたのは普通に料理するのではなく、ちょっと無茶な料理や非実在料理を追及する、という体だからです。それもあんまりしないんですが、でもやる時は意外とやるというか、やってしまうというか、やってしまったか…。というか。グレたトムヤンクンの味のするクッキーとか、バケツプリンとか、やってる回はとりあえず大丈夫なのかこの部活、と思わせてくれる物ばかりです。まあ、そんなに作ってないんですけれども。まあ、作る物もそんななので、食べれるならなんでもOKなアイちゃんとか、慣れてるスー先輩&レンゲちゃんはいいんですが、サクヤちゃんはやっぱりツッコミとアレ料理に撃沈する羽目になります。サクヤちゃん、前世で何か悪い事したんでしょうか。あるいは、来世が神にでもなるんでしょうか。
 キャラ的な話をするとどうしてもサクヤちゃんに目が行く自分がいます。基本的にツッコミ属性キャラが好きだというのもありますが、それ以上にサクヤちゃん不憫すぎるのが肝のような気がします。他3人が奔放に生きる為の生贄、という見方も出来ましょうが、それでも皆と一緒にやっているサクヤちゃんが不憫というか、ゆえに可愛いというか。彼女の頑張りで皆がボケボケやっていられる空間があるのだ、と思うとなんとも。本人としたらそういうつもりもないんでしょうけれども。そういうのも含めて不憫であります。それがいいんだけど。
 この巻で好きな回は思いのほか一話目。基本4人が一堂に会する当然最初の回であり、ゆえにこの漫画がどうしたいかというのをきっちり見せてくれていい一話であります。『コミックマスターJ』の名台詞を引用すると「面白い漫画はねえ、一話目で決まるのよ!」というがぴったりくる上手い一話だったかと思います。後、水着回だ!といっちゃう水着回のアイちゃんの食い意地と食い方が異常さが素晴らしかった。というかアイちゃんムチャクチャ過ぎる。食い意地とか言うレベルじゃない食い意地が持ち味とはいえ、プールに来たのに結局食いまくる辺りが流石過ぎました。
 とかなんとか。