レイセンFile3:ワンサイド・ゲームズ (角川スニーカー文庫)
- 作者: 林 トモアキ,上田夢人
- 出版社/メーカー: 角川書店(角川グループパブリッシング)
- 発売日: 2011/03/31
- メディア: 文庫
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内容を要約すると「孤島の開放感とはろくでもない」。そんなろくでもない開放感で色々と人生を踏み外しかけるけどなんとかなるのがヒデオクオリティ。地味になんともなってないどころかドツボに嵌ってる感じもありますけれども。というか、ビックマグナム(婉曲表現)が回り回ってろくでもない方向に収束して皆にビビられる展開になったのは大変笑うしかない。笑ってやるしかない。どうしてこうなるんだろう…。という問いは、ヒデオだから、で終息します。ヒデオじゃしょうがないな! そんな川村ヒデオのギリギリの社会人生活。それが『レイセン』なのです! と言い切ってもいいのかしら?
さておき。
にしても、今回もヒデオはギリギリ綱渡りとハッタリでなんとかし過ぎです。元々人から芯の方と間違って見られる為に、ちょっと演じたら速攻ハッタリになるのがそれの主な原因ですが、にしたって今回は危ない展開が多かったかと。世界観は大体ハッタリが聞くし青年らしい真っ直ぐさであんまりヒデオの事を疑わないからいいんですが、「ワンサイド・ゲームズ」ではハッタリが奏功して時間稼ぎになってたし、「ロケット・ダイブ!」ではエレノアさんと何故か丁々発止しないといけない展開になった時も意外といい線で推移してたんですが、それでもそこから後一歩で死ぬという危機的状況だったりするわけで、そんなとこにぶっこまれる基本的な運の無さと、それをなんとか乗り越えられるというハッタリ力と悪運の太さは比例してるのかしてないのか。そりゃマリアクレセルさんも突如登場で説教なのも仕方ないレベルです。しかも、ヒデオ本人は徐々にこういう刺激に快感を覚え始めてるっぺれえというのが、どうしようもなさに拍車を掛けていたり。今後もマリアクレセルさんが説教で随時出張ってくる可能性が劇的に高い感じであります。
さておき。
そっちはいつものヒデオで済むんですが、ここで気にするべきはやはり初代聖魔王、鈴蘭。『お・り・が・み』では瞬間最大主人公、瞬間的に主人公度が大上昇するタイプ、だった鈴蘭ですが、『戦闘城塞マスラヲ』でその朱に交わり過ぎて真っ赤っ赤っぷりを披露してからこっち、本当にろくでもない人という印象ばかりが付きまとうわけですが、それはこの巻でも立錐の余地すら無く屹立しています。何でお前、アジトがピンチなのにヒデオの家に行ってるんだよ! というツッコミしたくなりますが、あれは確実にヒデオの持っている物、未来視でも豪運でも、を大活用しようという腹積もりだったんだと思うと、そして実際にその通りに事が運んだのを見ると、本当に小賢しく、酷い人になったなあ。と感嘆してしまいます。先に朱に交われば、って書きましたが、もしかすると基本的に赤かったのかなあ、とすら思えるそのアレさ加減は、そろそろ必見レベルになってきているのでは? と錯覚すら覚えてしまいます。ブレーキ役いないんだもんなあ、魔殺商会。伊織が止める方に行かないし…。そんあ瞬間最大主人公でなくなってからの方がむしろキャラが立って立って立ち過ぎてどうしてこうなった…。そんな鈴蘭の動向が『お・り・が・み』からのファンとしては、わたし、気になります!
とかなんとか。