感想 あらゐけいいち 『日常 (八)』

 大体の内容「これぞ『日常』的日常の妙味!」基本的に妙に可愛いと妙にシュールがミキシングしているのが『日常』ですが、だからって鼻から米粒の話はやりすぎやろー! それとちゃんみおが本格的バカの真似する回もやりすぎやろー! と思ったらみおちゃんの見た夢の話がそれ所じゃなくて驚愕し過ぎて何も言えなくなり、その後もついついその話を思い出して他の話に対する注意力が散漫になるという暗黒舞踏がそこにはありました。その中でなんとか辛うじて立花さんの凶悪な妄想話とみお姉VS麻衣ちゃんの話がなんとか辛うじて(二度目)記憶に残る有様でした。
 どの話も基本強烈で、例えば、鼻から米粒は仮にも女の子の鼻からすぽんがすぽんが米粒が乱打されてアイエエ!! と思ったら、最後の一文の美しさと事態の無茶苦茶さが見事なジョブとして立ち上がってきたりしてたり、ちゃんみおが本格的バカになる回は前半の静とも勢とも言える間とちゃんみおが考える本格的バカの凄みを見せ付けられた、と思ったら後半は『日常』らしいパワリオワーでダッシュダッシュダッシュ、キックエンドダッシュ。事態の留まらなさが留まる事を知らずに見ていて悶絶でしたし、立花みさと妄想爆発回はどんだけ乙女でどんだけ歪んでるんだよ! と言わずにはいられない豪烈の妄想っぷりが叩き付けられただけですめばいいのに、えっ、そこを!? というオチの秀逸さに憤死しましたし、みお姉VS麻衣ちゃんはどこか試合めいていて、この漫画の最強決定戦を見せつけらている! と襟を正してしまうものでしたが、何ゆえ争う必要があるのだろうという己が出したボケに対するツッコミも冷静になると見えてくるという分からなさっぷりでした。
 しかし、それらが全て後塵を拝するだけのパワーに満ちたのが131話。みおちゃんの夢回。初手からこれは夢なんだろうな、という予断を我々は与えられているのに、お前の予想はその程度だったのか? 甘ぇ! という大喝をページをめくった次の瞬間に叩きつけてくるからたまりません。ワタクシ、あまりに混乱して、ああ、そういう体で? というどういう体かも分からない理解をしてしまいました。それ位、凶悪なパワーに満ち溢れた回だったわけです。最後の、夢幻の如くなり! を嫌が応でも感じずにはいられない、それが『日常』8巻なのです!