感想 氷川へきる 『CANDY POP NIGHTMARE 1』

 大体の内容。「だが、魔法少女としての腐れ縁は死滅していなかった!」『おひっこし』の名句めいて言うと「さっさと終われアタシの魔法少女時代!!」というのがぴったり来るような漫画、それが『CANDY POP NIGHTMARE』(以下CPN)なのです!
 実際問題として、魔法少女、真希奈さんの魔法少女時代は終了しております。つまり元魔法少女です。終われっていうのは終わってはいます。ですが、その時の縁として九重アリス、元侵略者で現洟垂れ不可思議少女、との付き合いが続いているのが、この話においては厄ネタとして機能してしまった感があります。そうでなくても人生と言うやつは真希奈さんに艱難辛苦を勝手にぶっこんでる節もあるというのに*1、やっと開放されたと思ったらまた変な道に足を突っ込む事になるなんて、まさしくこういう時にこそ「神めっ!!」って言わないといけないんだろうなあ。そんな風に思うくらい真希奈さんが可哀想だったりします。とはいえ、回が進むごとに慣れてきてる節もある辺りが、人間の適応力ってやつを感じずにいられない事案として立ち上がってきたりもしますが。
 そんなキャラ立ちをしている真希奈さん、実はメイン格ではあっても物語の主役ではなかったり。一応、転校生八神君が主役として帯にもクレジットされております。しかし、実の所八神君の存在感と言うのはぎりぎりというか、捨てキャラとしての役を果たしていつかいなくなっても特におかしくはない、という程度の物しかなく、ある意味で一番ハラハラするキャラとなっております。真希奈さんとアリスがキャラが立ち過ぎてるんや…。たぶん、登場コマ数を数えたらひつじさんより多い程度だぜ…。数えるまでもなく、真希奈さんとアリスより少ないのは確定してますし…。だから、読者側の感覚としては八神君はサブキャラだったりするのですけれども。ストーリーの軸に一応要るから、しばらくは捨てキャラとはならないでしょうが、お姉さんが出てきたら余裕で食われるか死ぬかしそうですよね…。
 さておき。
 ストーリー面は今回はちゃんとあります! グダグダした所に混ぜるような事はしません! というしゃっ面をしているのがCPN。UNKOWNとは?というのが基本としてあり、それが雲を掴むような話の状態から、じりじりと見えてくるという形を取るように思われます。まだ一巻なので伏線みたいなのもちまちまと建築されておる感じに好感触を持ちますが、『ぱにぽに』も序盤はなにかまいてたけど回収する時は至極あっさりだったなあ。というのも思い出されるので、それに比べると少なめの伏線で勝負してる感じも持ちました。あるいは、今後も伏線増やしていくのかもしれませんが、案外すぐ終わる勝負に出ているのかしら。とも。長丁場にしないつもりなのかなー。
 さておき。
 とりあえず真希奈さんがすばらキャラである事をここに宣言したいです。
 黒ロン+眼鏡+巨乳という外見の基本三原則からの派生のクール+風紀委員のコンボが強力ですが、更にうっかり+腹ペコ+おばかの組み合わせでポイント倍点! その上で元魔法少女+黒衣+ポン刀少女の合わせ技でイポン! 久方ぶりにここまでキャラの立ったキャラというのを見た気がします。元々へっきーせんせはキャラ立てがうましの方ではありますが、ここまで複雑なコンボを極めてくるスキルがおありとは! それがし侮ってはいなかったんでござるがまだまだ理解が足りてなかったでござる! と襟を正したくなる思いです。というか、普通に考えると属性過多ってレベルじゃないんですが、それが違和感なくおさまっている様はタツジン! あるいはテンサイ級の出来上がりではないでしょうか。これだけ濃い真希奈さんに輪を掛けて濃いアリスさんの二人でメイン級は事足りると思うのもむべなるかな。やっぱり八神君捨てキャラに何時なってもおかしくない!
 さておき。
 どうでもいいですが、「燃えたろ?」っていう真希奈さんが最ッ高だぜッ!チームサティスファクションの復活だッ!!(バーン!)でした。オタネタなのになんか異常に決まっててかっこいいってステキ過ぎる!コワイ!
 とかなんとか。

*1:2話での疲れた発言の死んだ表情とか見るにかなり辛い時期があったんだろうなあ…。