感想 中村光 『聖☆おにいさん』8巻

聖☆おにいさん(8) (モーニング KC)

聖☆おにいさん(8) (モーニング KC)

 大体の内容。「バカンス! バカンス中なのにバカンス!」あまりに立川生活が常態化した為に、ちょっと暖かい所へ、むしろ暑い所へ! と言う事での沖縄行にまつわる話が後半に固まっており、それがこの巻のトピックとなります。が、まずは他の話を。
 最初に載っているお薬買いに行く話は出だしからドアノブが酷い目に遭う=敷金が、という展開でいつもの単行本の引きをして、いつもの聖人ネタをきっちり入れてくる、特にブッダの危機を皆苦行として見てたネタとか、とてもオーソドックスな『聖☆おにいさん』ノリでありましたが、オチが薬師如来の薬はニベアだった、というのにはどうしようもなく腹筋が鍛えられましたよ。ニベア無い頃はどうしてたんですか!? と思ったけど普通になんかの油脂だったんだろうか。とも気付いて丹田がー! 完全に名前負けというか、薬持っててください! と思わずにはいられませんでした。
 それ以外だと、ボーリング回、の前の五日間微動だにしなかったネタが異常にツボに入りました。五日も動かないまま、って想像するだに怖いですが、それがブッダだと入滅したのかと勘違いされるに違いない状況ですが、それが修行であった、というのを見るにやっぱり聖人は違うなあ、という思いに囚われます。そっちでブッダが奮った後は、イエスのターン! ボウリングが悪魔祓いの為に行われたという豆知識めいたものを出しつつ、謎のテンションでボウリングを繰り広げる事に。モーセ! って意味不明ですよね…。その後にモーセさんがあまりに自分の海割りの話をされてノイローゼになってる、って言ってるのにモーセ! とか言っちゃう辺り、かなり普及した表現なんだろうなあ、というのを呆然としながら思ったりも。後、ガーターに対して異常に厳しいのも、ツボでした。
 さておき。
 沖縄旅行編はまず旅行計画から入る辺りがガチですが、周りのたまには帰って来い圧力もまたガチで、沖縄のどこがいいの? って言うのにヘビが出る! という情報ばかり送ってきたり、ニライカナイにおいでませしたりで、どんだけ帰ってきて欲しいんだよ…。と思わされます。そこまで行くと普通に帰ってくれって嘆願した方が早い気がするんですが、それをすると…、なのも分かるので中間管理職は大変なんだな。とか。
 そして、沖縄到着! の次の瞬間に天部の梵天さん達が既にスタンバってたので爆笑。そしてアナンダ達も合流して、結局天部主体かよ! と慄いたり。でも、イエスの旅行プランが空港使った段階で限界、泊まるとことかほとんど考えてないのと同じだったので、梵天さん達いなかったら大変な事になったぞ…。事案でした。っても、梵天さん達も苦行スイッチ、あるいはマーラに打ち勝て! という意味合いでいいホテル取っているので痛し痒し。その後もブッダに「悟れ!アナンダ」の増ページをさせようという意図が見えたり、イエスに海底に行かせようとしたりと無茶ブリが乱打される展開。折角のバカンスが、これで良かったのだろうか、と老婆心が出てきたりも。なんのかんので楽しんでたっぺれえから、良かったという方向なんだろうなあ。
 とかなんとか。