感想 押切蓮介 『ハイスコアガール』3巻

 大体の内容「旅で培われるラブ! ラブ?」今回は大野さんのターン! 日高だあ? んなものは見えやしねー! と言うくらい、2巻での長き不在を払拭する位に、大野さんのターンがしっかりとありました。その最たるのは修学旅行で自由行動を自由に使い過ぎの大阪でのスパ2X大会での戦い。そこでの大野さんはまさに怪物的存在感。相変わらずのザンギで並み居るプレイヤーをぶっ倒し、矢口との最終決戦! その勝敗とは! と思ったら微妙な水入り感で幕を閉じます。というか、あれがあってもきついダイヤグラムがある相手に、無くて善戦するって大野さんのテクはどんだけ無茶なんですか。そして、その事を知った矢口とのガチ殴り合い! 中学生になっているというのに、そっちの豪腕も全く衰えない大野さん…。凄い過ぎる!
 しかし、そんな大野さんに対して、俺はどう思っているんだ、という方向に矢口が動いたのには驚きました。全くニブチンであった矢口ですが、流石にあのおもちゃの指輪を、というのは去来するものがあったんでしょうか。というか、そこまで行かないと気付かないってお前なー! と思いますし、日高さんの気持ちにはやはり全くな辺りもどうしてだよ! ですがそれだけゲームバカなのが矢口なのでしょうがないですね…。これもある意味キャラの勝利と言えましょう。更に、その気持ちがあるがゆえに、高校受験を頑張る、という方向に、というのもゲームバカだったからこそ感じる心境の変化で、ああ、ガチなんだなと思わせてくれます。ああ、キャラの勝利! 受験はまあ、なあ…、いきなりどうにかなったらおかしいしな…。
 さておき。
 日高さんも今回は出番が少なめとはいえ、修学旅行デートみたいな格好になっていたり、スーファミファイナルファイトを買って読んで遊ぼうとか考えたりと、存在感は持っていました。でも、大野さんの存在感がでか過ぎて、実際霞むんですよね…。そういう意味では、大野さんの引き立て役が今の所であります。これが大返し来るか、霞んだままなのか。私気になります! ってもなあ、矢口のやつ大野さんが全く喋らないのに言いたい事が大体分かったりするしなあ。どんだけツーカーなんだよ。どこまで気持ちが通じてるんだよ。それを日高さんが食い込めるかどうか…。やっぱり気になりますが、無理の強い戦いだろうなあ。日高さん、頑張れ…。
 さておき。
 時代が移っているのに比例して、ゲームの方も変化していくのを目にして気持ちが上がる矢口の気持ちが大変理解しやすいですよね。そりゃ、同世代だから当然なんですが、でも、あの頃のゲーセンの盛り上がりはやはり大きいものがあります。実際にはゲーセンに行くようになったのはもうちょっと後代ですが、それだけにその方向の燃え上がり方を追体験すると、そういう所にいれたらなあ、と思ったりも。更に時代が下ると、矢口はどうなっていくんだろうか。付いていくのか、離れていくのか。私気になります!
 とかなんとか。