感想 星野蒼一朗 『這いよれ!スーパーニャル子ちゃんタイム』3巻

這いよれ! スーパーニャル子ちゃんタイム3 (メテオCOMICS)

這いよれ! スーパーニャル子ちゃんタイム3 (メテオCOMICS)

 大体の内容「アニメ声優陣に駄目な意味で言わせたい台詞満載!」。ある意味もっとも駄目な本家の方はエロ要素はあるにはあるけどほんのりだというのに、ある意味もっとも駄目なコミカライズの方は大層下品なネタが多いのは一体どういう事なんでしょうか。というのは、本家では出来ない季節ネタと同じ様に、本家ではお目にかかれない方策で行こう!という作者の思惑があるからじゃないでしょうか、と邪推。実際、クリスマスネタが一周回ってまた、と言うのを見ると、付け入れる隙を完全に狙い撃ちにしているなあ、と思えるんですが卿らはどうか。そんな感じで季節一周してもまだ続いているという奇跡的コミカライズ。それが『這いよれ!スーパーニャル子ちゃんタイム』なのです!
 さておき。
 今巻も全体的に原作の味をきっちり残し過ぎたせいで大分無茶苦茶な漫画となっており、それら全部が酷いと言えるんですが、中でも響きの段階でもうヤバイのが分かる茸狩り回とこの漫画が思ったより長寿になったのが分かる二度目のクリスマス回、そして歩くスピーカーの料理回は素晴らしい出来でした。←虚空を眺めながら
 茸狩り回は先にも言った様に響きからして既にヤバイですが、内容の下ネタ具合は素晴らしかったですね。下品ネタ全開フルパワーでしたし、ニャル子が定番過ぎる真尋さんの茸を、の件の真尋さんの「どうした? 最後まで言ってみろよ」の怖い笑顔も最高でした。その後も言わせねえよをパロネタ処理だし、毒茸生え過ぎだろというツッコミ所とその処理の方法も納得だし、出来栄えは素晴らしいです。内容が実際酷いですが。
 二度目のクリスマスは、二度目のプレゼントのニャル子さんが速攻外に投げられてああ……。ってなってるのがたまらなかったですが、その後で余市が、余市が……。佳き日にござる……。今日は佳き日にござる……。と、呆としてしまうオチでした。大体の内容はクリスマス会でいつもの調子でしたが和やかだったのに、最後の余市が全部持ってた感満載です。そりゃアルクス・ピーカーもゴチになります! とか言うわ。というか、真尋さんのフラグ建築力が一級建築士レベルですよね。特に粉掛けてないのに勝手に好感度が高まるとか、通常ではあり得ない状態ですよ。どうなってやがるんだ……。
 珠緒のスペシャルクッキング回はニャル子さんの腕前を持ってしても変な料理を作ってしまう珠緒さんの料理力が素晴らしかった回です。目標はパスタだったのに最終的に似て非なるものが完成する、ってどうなってんだ。一応食える! でもパスタじゃねえ! というので最後に付けられた料理名が見事なオチでした。逆に難しいよな、その方向性。
 さておき。
 この漫画の恐ろしい所は、本家が狭い日にち内で済ませている、真尋さんの超絶濃い毎日なゆえに出来ないネタを、俺が代わりにやってやりますよ! 見ててください! フゥーハハハハハ! って勝手にやってるように見える所。下ネタと季節ネタが、どんどん使い潰されていく! という恐れ戦きが見てる方にはあります。本家では全くでない要素だけに、その要素使いたかったのに使われている! という状況は、万太せんせにはプレッシャーなんじゃないかとか、老婆心が勝手に発露してしまいますよ。あるいは、しないからそこを全力で使ってくれ! という取引があるのかもしれませんが。そうなると完全な住み分けです。あるいは、そうなのか?
 とかなんとか思ってみたり。