感想 平方昌宏 『新米婦警キルコさん』2巻

新米婦警キルコさん 2 (ジャンプコミックス)

新米婦警キルコさん 2 (ジャンプコミックス)

 大体の内容「キルコさん、うん、まあ……活躍!」。1巻では活躍の場が色んな意味で狭いという弱点を抱えていたキルコさんですが、この巻では舞台をあちこちに移して、でも1巻ほど無茶な行動はしないという展開に。主にゲスじゃねえハルさんが抑えられるようになってきたからなんですが、ゲスじゃねえハルさんも万能ではなく、なのでここぞで大惨事! となる展開も。なんだかちまい所で無茶するのが様式美になってきているかも。それはそれでありなのか、と思うようになってきた辺り、大分慣れてきたと言えましょう。
 さておき。
 この巻は先にも言ったように舞台はあちこちです。キルコさんの家に行ったらバレットが変なノリになって部屋が一戦後の呈をしていたり、幽霊一軒家に出向いてゲスじゃねえハルさんがそのエロ技能を有効に使ってる側でキルコさん達は右往左往したり、カジノに呼ばれて出向いたけど猛烈に鴨にされてゲスじゃねえハルさんと千秋さんがえらい目に遭ったり、流島にVIPが来たので観光してみたけど全然何も無いのが分かってめっそりしたり、と色んな手管が繰り広げられます。ノリが硬直してしまいそうな所できっちり目先を変えきてるなあ、とか謎目線出たりも。
 そんな中でもうちょいしてもいいのよ? と思えたのが東京編。2話で終わったのが勿体無いと思って見たりしましたが、起きた事を考えるとあれ以上滞在できる訳が無いのは理の当然。ハルさんじゃねえゲスがそのゲスっぷりを大発露して、警視総監に恩を売ろうとしてたんだから、確かにそれ以上いけない。とはいえもうちょっと間に何か挟んだりすれば、もうちょいいけたかも、と考えても詮の無い事を思ったりも。まあ、その辺は好みでしょうし、実際2話でも締まっているので不足と思えるんですけれども。
 長めのキャンペーンでは3話使った話もありました。キルコさんの過去話の回が。ケルベロの設定を考えよう、で出て来た過去話が異常に重くてエエーッ!? ってなりましたが、それはキルコさんの直接の過去ではなくて、ある意味良かったです。キルコさんは傭兵上がりの癖に妙にすれてないのに、そんな過去が!? とかなったらそれはそれでいいんですが、いいんですが! そこからカジノの話に繋がって、更に用心棒で過去の隊長との戦い、とトントン拍子。ここら辺りは小気味良く進んで、そしてキルコさん本当にすれてないなー、とか思ったりしたり。いい教育されたんだなあ……。
 さておき。
 2巻は単行本描き下ろしも収録なんですが、そこでの千秋さんの駄目OLっぷりが凄まじい勢いでありました。本当に駄目な休日過ぎて、涙すら。なので色んな意味で1巻で作られた出来る女アトモスフィアが全部投げ捨てる物(キリッ された感じに。この巻でも色々駄目な所が建立されていたので、そこまで投げ捨てなくても、とも思ったりも。まあ、それがいいんですけどね!←駄目女好き
 そんな、色々出来る感じの2巻なのでした。連載の方は3巻打ち切りの方向性がプンプンするぜーッ! なのですが、それもまた一興ですね……。←強がり