感想 小箱とたん 『スケッチブック』9巻

 大体の内容「10周年! でも、特に何かあるわけじゃないんだ」。10周年ですよ、10周年。この漫画が愛顧されて10周年ですよ。いつの間にか、そんなになっていたんですねえ。そりゃ年が過ぎ行く訳だ。とはいえ、特別な事はあるにはあるけど大した事はなく、ある種いつもの通りの『スケッチブック』がお送りされます。そういうスタンス、やる事は歪まないのは素晴らしい事ですよね。それなら、20周年とかも不可能な話ではないと、読者としては思ってしまいます。いつかは、サザエさんの後釜にすらなって欲しいですね。←無茶な高望み
 さておき。
 『スケッチブック』と言うと美術部漫画なのに何故か横溢自然ネタですが、今回はその自然ネタの牢名主である栗原先輩が完全な解説役として君臨する事に。あまりに君臨し過ぎていないのがネタになるレベルでしたが、その解説は淀みなく、伊達に君臨するという事になった訳ではありません。特に、蛾と蝶の違いを解説する回は、一回解説した回があった後で上記のいないネタをかましつつ、その後わざわざいる場所まで行って聞いてそしてしっかりとした解説が4Pに渡って繰り広げられるという、自然ネタスキーには堪えられない出来栄えでした。やっぱり、自然ネタの時の栗原さんは輝いているなあ。輝き過ぎで便利になり過ぎですが。
 さておき。
 先に10周年で特別な回がないわけではないと書いた通り、10周年回は一応特別な回ではありました。毎回何個かのネタがぶち込まれているのがこの漫画の基本ですが、10周年回は一つのネタで押し通る形になりました。それが121話のお絵描きしりとり回。春日野先生の皆いるなら遊ぼうじゃない! 美術なんて一人でも出来るし! というあんまりな大号令でお絵描きしりとりする事になった面々。おずおずとするんですが、そのしりとり絵の感じ、内容もキャラクターの成分がきっちりと出ていて、その絵を他の人がどう解釈するか、というのもあって意外とテクニカルな回だったかと思います。空さんの最初のヤツは一発目から意外性が高かくてテクニカル過ぎですがね。その後はグダグダだったり、無茶ブリに近いのに気付いたり、しっかり分かるように描いてるのに気付かれなかったり、と一筋縄ではいかないのも良かったです。中でも樹々さんが意外とギター以外は知らないのが個人的にはツボでした。折角の友達枠で描かれたのに知らないとか……。そういうのも含めて生半可ではない回ではありました。
 さておき。
 この漫画においてキャラの話をするという事はケイトの話をする事な訳ですが(断定)、今回のケイトは金魚を見てる時の服装がなんか清楚エロいんで困りました。なんかこう、清いのにエロい感じなんですよ。としかなんとも言い難い、伝え難いエロスだったんですよ。勿論、これは私の目が腐っているからなんですが、でも、なんというかこう、ねえ! 他にも初詣で晴れ着着てるのも良かったですね。何故か妙に神社での礼儀に詳しい感じだったのも、晴れ着との相乗効果でなんか新鮮でした。この巻はなんだ、ケイトおめかし編なのか!? ってくらいいつもと違う服装していた気がしますですよ。今までも学校以外では色んな格好してますけど! でも、目に付いたなあ、というか。それだけ特徴的な服装が連打だったって事でしょうか。とかなんとか言って〆。