感想 高橋慶太郎 『デストロ246』2巻

 大体の内容「JKが出て殺す!」。1巻目からそういうノリでありましたが、2巻目も帯の段階からして無茶な惹句です。

確約!!!
 この巻ではクソ凶暴な女子は殺し合いますが誰一人死にません!!!

 これが確約になるという時点でこの漫画がいかに無茶苦茶しおるか推し量れようものですが、じゃあ殺し合いがぬるいのかというとまったくそういう事は無く、むしろ生きてる!? 生きてるナンデ!? という結構ギリギリな殺し合いしてます。当たれば死ぬ世界で、特に1巻ラストの展開はどう考えても死ぬだろ! と思わされただけに、確約をどう維持するか、というのが結構な見物であったりも。その結果が生きてるナンデ!? ですが。とにかく女子面子がそういう無茶苦茶をする漫画、それが『デストロ246』なのです。
 とはいえ、いい死合は女子面子の対戦においてのみであり、男所帯の組織が苺さんのシマに乗り込んで、と言うのに対しては音速で、本当に音速で処理され、瞬きする間で組織が壊滅します。なんかちょっと強敵めいて紹介されたやつも、何も出来ないままなんて生ぬるいレベルで処理されます。なんだよこれ! この漫画のメイン面子の殺りく能力の高さ、特に透野姉妹の性能の高さというのは著しいのが主原因で、ゆえに透野姉妹に寄ってあっという間に組織解体されちゃうんですが、にしたってマジで男子面子は単なる雑魚でしかないのだ、というのが切実に教えられ過ぎです。ある意味、描きたい物を描いてしまっている物だけが持つ異常な凄みが、この漫画にはあるというか、横溢しているというか、ほぼそれしかない。きっちり仕事をした後に訪れた自由闊達タイムに、自由にでも更にきっちりと仕事をかましている高橋慶太郎せんせの高笑い、フゥーハハハハハ!笑いが聞こえそうなくらいの出来栄え。あるいはワザマエ! そんな風に思ってしまいます。
 ストーリーラインの方はというと透野氏の妻子を殺した犯人を捜すついでに組織潰しちゃえって言われる透野姉妹のターン、ヤクをつぶす為に学校の殺し屋として行動する的場とその背後について調べる闇医者のターン、そしてシマを守る苺さんのターンが見事に交錯しており、それが絡まった結果、一組織がボロクズのように瞬殺される結末になっていたり。別に組んで仕事したわけでもないのに、勝手に相乗効果が出ている辺りがやってくれますが、更にその後の手打ちがすっげえあっさり終わってしまうのもまた。お互いに協力するでも敵対するでもなく、偶然交錯しただけだから手打ちにするよ、というノリ。これもまた、無茶なノリであるなあ、とか思ってしまいました。
 話の方の深度はまだまだこれからというか、もしかすると全く明らか様にされないまま終了という流れになってしまうんじゃないか、という危惧すら浮かんでくる位、どうにも暗部がしっかりある模様。的場の秘密は? 透野氏の妻子を殺したのは? そういうのを伏線として流しつつ、どう疾駆していくのか。気になりますが、2巻段階で外来組織滅殺してしまった、というので、今後の展開が全く読みようが無いんで、とりあえず続きをドンドン読ませてくれい。そう思うのでした。