感想 久正人 『エリア51』6巻

エリア51 6 (BUNCH COMICS)

エリア51 6 (BUNCH COMICS)

 大体の内容。「最初の蛇、十神に絡まる!」。この食い込める時を、虎視眈々と狙っていたのか! という位に久しぶりに登場して、しかしクリティカルな部分を突いた最初の蛇。そして突かれたオーディンは、十神会議に大波乱を巻き起こす! というかなりストーリー面で進展があったのが、『エリア51』6巻なのです。
 最初の蛇がオーディンを陥落させる手管、というのが今回のキーですが、それがこの漫画のオーディンが持っている固有の弱点に寄っている辺りが面白い。他の神話と絡んだせいで、ラグナロクにおける戦力が無いというのが、この漫画独特になっています。そこが一つの付け目となってしまい、オーディンは陥落た! わけですが、しかし、落としておいたにしても草薙の剣を手に入れれたのか不明だし、十神会議に楔を打ってどうするつもりか分からないし、で、最初の蛇のする事はまだ不明な点が多いです。エリア51で唯一いない神の話に寄っているのは、その動向や今回の台詞で分かっていますが、しかし、それでなんで暗躍してるのかがねー。その神の話からすると、どちらかというと神に背く方向にいたわけだし、神の為に動いているというのは違うような気もするし。謎い。
 さておき、そこより見るべき部分は他にあります。この巻のおまけ以外の最後のコマです。ゼウス超おっさん体型なのに超かっこいい所です。前の巻で助けられたハデスが死に、それを知ったゼウスが十神会議場にやってくる、という一枚絵なんですが、このかっちょよさがもう。バーコード禿でメタボ腹でみてくれは完全にくたびれたおっさんなんですが、なんですがのかっちょよさ。次巻予告の対峙シーンもむやみにかっちょよく、久せんせ、出来る! と謎の視点から慄いたりしました。そういえば、前の巻もむやみにかっちょ良かったシーンもあったっけ。こういう人をかっちょよく描くの、好きなのかしら。そういうの好みなので今後も是非是非ガンガンしたっていただきたい。
 好きなのかしら、と言うと、いままで一作に一回は緊縛があったなあ、という事の理由が開陳されたのが大きな話題。悪魔と契約したので、緊縛一回入れないといけないそうです。そーなのかー。なるほどなー。と言う理解を、今回のマッコイさん緊縛でした次の瞬間! あれは酷い……。そっちも緊縛ってこれが、バランス感覚……。この巻最初の回の話がこの漫画の良さがしっかり出た切なくいい話だっただけに、その後のバランスが凄い過ぎます。あれだけの話の後に面白い話になったかと思ったらあんな事になるなんて……。バランスとはなんなのか……。
 とかなんとか。