感想 内藤泰弘 『血界戦線』7巻

 大体の内容「テロ微生物VS! 他一本」。この巻のメインはテロ微生物の話。微生物テロではなく、テロ微生物です。良く分からない言語になっていますが、本当にテロ微生物の話なのでそういう事として受け取っていただきたい。この漫画は内藤せんせの漫画としても変な振れ幅があるわけですが、このテロ微生物回はかっこいい面からちょっと抜けた面、切ない話から暴虐の話、それからかっこいい話と思ったら馬鹿話と波打つように話が展開され、見終わった後は心地よい疲れとも言えるものがありました。最後の馬鹿話処理とか、内藤節とはこう使うものだ! とサマカンテじゃねえルビカンテ声でいう内藤せんせが幻視されてました。とはいえ、実際の内容は力が欲しいか、というテロ微生物に付けこまれたら、最終的にほぼ肉弾戦最強の状態になったんだけど、この視点は誰もいないじゃないか! っていう辺り、そして最後に元より更に、になったけど、この視点でいいや、ってなった辺りはとても良かったです。身の丈というのを考えないといけないよなあ、という示唆も。どっかのザップも見習え。お前全く身の丈分かってないだろ。
 と思ったら、なもう一本は、ザップとツェッドの珍道中、ピタゴラスイッチを添えて。こっちはちょっとしたおつかい程度の行動だったのに、ヘルサレム・ロッズの色んないつもの光景(わりと大混乱)がちょっとした掛け違いでバタバタと状況が展開し、ザップ達の不幸に一点集中する話でありました。こういうのはあんまり無茶に長くならない、すっきり見える程度で、と思うのが野暮天の見方である、というのを感じさせる位に、あちこちの状況が絡まっていく様はまさにインクレディブルマシーン。爽快感すらある映像が流されます。そのせいでクソタレピンチになったザップ達。危機を脱出する為には、力を合わせなければ! という王道展開ですが、その前に挿入されるのが、師匠のお前らが二系統も使えるわけねえだろ! クソして寝ろ! というかそういうやつはどうせどっちも出来ずに死ぬから今から殺すぞ! というガチっぷりが入って、ああ、ザップもあれで身の丈というのを知っているし、使う方面は天才的なんだなー、そして二人で力を合わせれば、ってんだなー。と理解したりなど。まあ、師匠のガチっぷりは異常で、だからこそザップもあんな放蕩になってまったのかもなあ。とも思えたりしますが。ツェッドの真面目振りを見ると、元からなのかもしれないけど、より促進したのかしらねえ。
 とかなんとか。