感想 道満晴明 『ぱら☆いぞ』2巻

 大体の内容「下ネタのゲシュタルト崩壊」。基本的に一巻から下ネタ全開仏痴義理で独走態勢だけどそもそも伴走者がいないという孤高の下ネタ4コマ漫画でしたが、二巻目もその例に漏れる事を全くしないで出来る下ネタをぶち込み続ける様は職人のそれであり、つまり得難い存在である、有り難い物であるというのを読めば読むほど感じ入る、そんな漫画が『ぱら☆いぞ』なのです。
 さておき。
 あとがきでも触れられていますが、基本的に核となるメインキャラというのが全く存在しない、かりんちゃんとかこなちゃんとかいましたが全体的に見るとちょっと出番が多い程度でした、というので大変苦労されたのが分かるものの、それゆえに出来る下ネタの方向性も広がって、全体で通してみるとバリエーションが大変あったので、それは大変良い事ではないかと思います。それがゆえに苦労したんでしょうけれども、その苦労の分はきっちり漫画の方向性と多様性、そしてその上での統一性となって表れています。そういう意味では、偶然の産物に寄る芳醇さというのは得難く、有り難いのであります。
 その芳醇さとしては、この巻からのでは苦肉の策めいた所のある落研、謎発明部、そして呪田4姉妹があります。落研は酷い亭号という出オチからの落語を下ネタ化BLネタ化していく方向性というので、この巻の中興の祖として存在感がありました。謎発明部はセクハラ発明からいきなり女体化というネタをぶっこんできたりしてアグレッシブ。女体化したヤツが一巻でネタ大喜利してた朧先輩と接点が、というので小ネタとして色々効いていたりもして、アクセントとしては十分でした。
 で、呪田4姉妹。元々上二人が姉妹として登場していたのに、更に三女四女を追加するというこれも強度の苦肉の策めいていますが、三女が上二人に比べてまだましレベルであるがゆえに、なんだか普通に恋する乙女してる感じでした。と、何時から錯覚していた? よくよく考えると、三女さんもかなり下ネタの強度はあるんですが、上二人のレベルが無駄に高止まりなのと、こちら側がこの漫画の下ネタに対して慣れてと言うか下ネタがゲシュタルト崩壊してきており、それでなんだか普通に見えるたようです。下ネタに慣れる、というのもなんですが、実際慣れてしまったものはしょうがない。人間は慣れる生き物なのです。というのを如実に感じました。まあ、三女さんが普通に乙女な部分があったのも一因で、それが下ネタ処理の合間に入って清涼感だったのかもしれません。アクメってた? はっはっは。←笑ってごまかす
 全体的に下ネタばかりで慣れてきたとはいえ、この巻最初のあ!なやつは流石に色んな意味でハラハラしました。いいのか、それはしていいのか。ファンにSATUGAIされないのか。許可は取ってある、というのはいいんだけどまた無駄に角川グループと戦っている感じですね……。
 最後に意味不明だけど無駄にパッションを感じた台詞を引用して締めとします。

太陽とシスコムーン!!