感想 浜田よしかづ 『つぐもも』11巻

 大体の内容「バラエティーに飛んだ内容。というか色々あり過ぎである」。今回は掌編5つで構成されており、その内メインストーリーに入る話は第56話「恋のすごろクイズ」と第57話「新入部員」。これは一応の敵対勢力、「迷い家」の面々の一人であるあきとさんとみまねさんが、お悩み相談室に入る事に対する布石と、実際に活動するまでが入ります。入るメリットとデメリットを考えて行動するあきとさんは流石に長年生きているだけはありますが、相棒がみまねさんなのでプラマイがほぼ0で、今後大変そうです。しかし、入って敵の実力をしっかり見る方向になるとは思ってなかったり。この流れ、いつかの対戦の時にあきとさんが自分の気持ちが乱れるかも、とか考えるかと思ったんですよ。まだ、この流れで日々を積み重ねて仲間になったのが失敗だった、と考える可能性はありますが、あきとさん結構クレーバーだから、あっさり切れるのかもなあ。
 そんなクレーバーなあきとさんに対して、みまねさんとあるみさんはネックになりそうな雰囲気。みまねさんは基本的に奔放過ぎるというか何も考えてないっぺれえから情報がポロッと出る公算が高く、一番危険つぐももですし、あるみさんはあきとさんにぞっこんっぺれえからそういう意味でのネックになりそうです。この辺、今後の展開次第とはいえ、中々一筋縄ではいかない感じで、〆でもなんだかつぐももが大量に出てきて、これはもう楽しくなってまいりました!
 さておき。
 メインストーリー以外の掌編はこの漫画がする事とはこういう事だ! というのを過不足なく見せ付けた特別編の「すそはらいと神領流」と「ふうまでん」。設定の説明、バトル、エロ、すべてがきっちり入りきっているのに、全く方向性が異なる特別編が二つもあるだけで、この巻の存在感は異質です。前者は他の漫画のキャラを使っての回で、俺に任せたら剥くけど構いませんねッ!! というのを事前に許可取ってやる辺りがいつもの浜かづ屋でしたが、内容はかなりの燃え具合で、合体技で〆るのも相まって、コラボ、かくあるべし。という雰囲気。後者『ふうまでん』はこの漫画のオーソドックスな部分をきっちりしており、掲載誌移っての最初の回とかでも十分に機能すると思える安定の内容。短いながらきっちりまとまっており、浜かづ屋の漫画の冴えがどんどんと高まっているのを感じられる出来となっております。
 さておき。
 浜かづ屋というと、皆様も分かっておられると思いますが、そう、マッパです。先の掌編達でも出せる部分で確実に剥くという剥き癖の冴え、ワザマエ! を見せ付けており、それをしつつもストーリーもきっちり見せるという辺りに、このバランスなら自然且つ不自然にマッパ出来る。俺はやれる! というバランス感覚を身につけたのが明白であります。グレートですよ、こいつは……。自分の性癖を確実に制御出来るようになったという事ですからね。今後どういう風にマッパ混ぜてくるか知れたものではありませんが、それで漫画の冴えが増すなら、願ったり叶ったり。ですが、やっぱりシリアスを重視していていると裸力(マッパチカラ)が自然に溜まってしまうのも、また浜かづ屋。この巻では第55話「夢枕ふたたび」が、裸力(マッパチカラ)を10巻の格ゲー回のフラストレーションとして大発散する回として存在が屹立しております。深層心理が詰まった枕にダイブしたらかずやの奥底に眠っていたハーレム欲が爆裂しており……、という亜空の内容。前にこの状況を崩さない為に耐える! と言っていたかずやの奥底にここまでの物が眠っておったか……竜が住みよる……。という慄きが出るばかりのエロ展開でした。最終的な展開の唖然とする感じ、G行為過ぎる内容にも唖然でしたが、実は最初のお風呂展開が地味に危険過ぎる物でした。いくら人間じゃないっても、mnk*1に七年殺ししてやり過ぎてオロナイン*2塗るって、どんだけ倒錯したエロ展開なんや……。しかし、だからこそ浜かづ屋! と言わざるを得ない、それが『つぐもも』11巻なのです!

*1:にしか見えない部位に。もしかすると一応ANSかもしれませんが

*2:14日注記:よく見たらボラギノールだった!ウカツ!でもそれ用途として正しい使い方なんですか!?