感想 木々津克久 『名探偵マーニー』4巻

 大体の内容「マーニーの過去、そして宿敵!」。と、大きく出てみましたが、その過去も、宿敵も、まださわりの段階。マーニーと宿敵たるメカニックとの間には何があったのか。何故、マーニーはメカニックの影に怯えるのか。そして何故探偵をするのか。その辺はまだ詳しくは出てきません。この辺、一筋縄ではいかない、かなり込み入った事がありそうな、そういう気がします。木々津せんせなら、相当のを仕込んでくるんじゃないかと、今からワクワクハラハラであります。
 さておき。
 メカニック絡みの話はfile29「メカニック」とfile36「アリア」。特に前者はメカニックの登場なのにメカニック本人はほとんど出てこないという構成で、後者はある依頼から人を追っていくとメカニックに絡んでくる話でした。どっちも、メカニックの出方はほんのりで、人々の言うメカニックの、掴み所のない感じがしっかり出ていて、本当に生半にどうにかなる相手ではないのが分かってきます。マーニーに絡んで、一体何がしたいのか。その辺も過去の話と関連があるんでしょうか。
 さておき。
 それ以外では、知り合いが増えて仕事の幅が広がっていくのを堪能しつつ、マジ話からバカ話まで幅広く展開されますが、一番バカ話だったのはゆりかちゃんが何故か金を持っていて、渋ちんで吝嗇家でゲスの彼女が、前の依頼のお金を渡してきた! 電話越しに聞こえた声と、その金の関係とは? ゆりかちゃんに一体何が? まさか……売春!? と言う事で調査を開始するマーニーが行き着いた先が本当にしょうもなくて、まさかとか考えたこっちの事考えろ! という怒りがアバターの乱闘という形で決着がつくというかなりのバカ話でした。この漫画は人のグロさ、精神的グロという部分が詳らかにされ、それを越えて美しい物もたまにはある。たまにね? という漫画ですが、今回はそういう美しい物が悲しい結末になるのも結構あるんですが、ゆりかちゃん回のバカさはその辺とは一線を画す感じでした。最後のオチの駄目さ加減も相まって、なんでマーニーはゆりかちゃんと友達なんだろう。もしかして、でちゃんと調べてしまうとか、大丈夫かとかこんなに気にしてあげてるんだろう。と思わされます。その辺、本人も今一判然としてない感じだったのも印象的でした。まあ、憎めないやつではありますからねえ、ゆりかちゃん。得なやつなんだな。
 とかなんとか。