感想 ストロマ 『スターマイン』4巻

 大体の内容「真のヒロインは志染さん。みんな知っているね?」。というのがあながち冗談に聞こえないのは、4巻には志染さん回がなんと二つも収録されているからです。そもそも大体一巻に一回位のペースで志染さん回はありますが、それがここまで釣瓶打ちされる状況を見て、更に裏表紙も行成と一緒だし、限定版表紙もど真ん中ストライクだし、と、妙な優遇に見て、そりゃあ、志染さんはいい物件ですけどねえ! と思ってみたり。そして他のヒロインさん達はもっと危機感を! と思わずにはいられないものの、そこはこの漫画のポテンシャルとしての、ラブコメとしての力は全く問題ありません! と断言してしまうくらいに、星野さん達はコメディからシームレスにラブに跳んでみせてくれます。テクい! そしてラブい! そんな囃子言葉を出してしまうのが、『スターマイン』4巻なのです。
 基本的に9人+αというヒロイン過多にも程がある4コマ漫画である所の『スターマイン』ですが、今回もキャラの存在感を忽せにしない複合ヒロイン遣いを見せ付けてくれます。今回は特に鈴ちゃんの遣われ方は大変効果的で、叶得さんにお兄ちゃん♪ とか言わせる事になった辺りは素晴らしいJOB(仕事)でありました。こういう、ヒロイン一人が独唱するんじゃなく、共に響き会う部分が、ハーモニーがあるのが、『スターマイン』の最たる特徴であり、また魅力でもあります。通常これだけ、9人も居れば当然影の薄いキャラというのが生まれようものなのですが、その辺が全くないんですよね。誰かがメインでもきっちり脇を固めるし、多キャラでわいわいすることも出来るし、と非常にキャラ遣いが上手い。これもキャラが立つという基本的な部分がしっかりとしているからこそ出来る物であり、今までの過程をしっかり履修している分余計にそれを感じますが、でも履修して無くても十分に感じられる良さであると思います。女の子がわいわいしてるだけで十分に楽しいなんてのは、中々難しい物ですが、それをきっちりそして分かりやすくやっている印象です。今回の限定版のドラマCDに釣られて4巻から買って初めて読んでも、全然問題無く話に入っていける分かりやすさがあるんじゃないかと。所謂萌え系4コマの初手に選ぶ漫画は4コマスキー個々人で色々一家言あるとは思いますが、ワテクシの一家言としては、『スターマイン』は初手でもぱっと見もキャラの良さがテンプレートっぽくて分かりやすいし、それでいてそれだけではない一捻りがあって奥行きもしっかりしているし、そして多数ヒロインが見事に響きあう部分が最高だし、だので、大変オススメしやすい漫画であると思うわけですよ。というか、何かの拍子にアニメ化して爆売れしねーかなー。大好きな『コミックマスターJ』の名台詞から取ると、

売れる漫画がいい漫画とは限らない。
 だが、いい漫画はいい商売になる。

 というのをちゃんと地でいける漫画だと思うんですよ。実際に、それだけのポテンシャルはあります。本当に、アニメ化しねーかなー。
 さておき。
 この巻で一番良かったのは里梨回。スパッツが無いよ! ちょっとスカートだけは心細いよ! な里梨さんの挙動を行成が気付いていて、でもちゃんとは知ってなくてパンツ無いと思ってて、な辺りでコメディしたかと思ったらラブにしっかり移行するテクもありーので、里梨ファンとしては5倍揉め回と並んでマストな回でした。ちょっと男勝りな部分のある里梨のちゃんとした女の子の部分というのがもうね。最ッ高だぜ! チームサティスファクションの復活だ!! (バーン!!) と何処かのサティスファクションタウンの人の台詞が自然と零れ落ちる位に最高でした。とはいえ、郷ちゃんのアクセント具合もしっかり効いているのも良いですが、やっぱりこの回のメインは里梨ですからね。その辺がちゃんと明確なのが上手いですよ! テクい!
 とかなんとか。