感想 あづま笙子 『吸血鬼にっき』1巻

吸血鬼にっき (1) (ぶんか社コミックス)

吸血鬼にっき (1) (ぶんか社コミックス)

 大体の内容「人間と吸血鬼による普通の生活」。「吸血鬼」と「普通の生活」という言葉に溝があるような気がするかと思いますが、「吸血鬼」物なのにこれが思った以上に「普通の生活」として立ち上がっており、ゆったりとした日常物においては「吸血鬼」程度ではそれが崩れる物ではないのだ、という天啓を勝手にエレウカしてしまう漫画。それが『吸血鬼にっき』なのです!
 この漫画は基本的にはなさんが通う店で吸血鬼さん達との交流をしていくという物ですが、先にも書いたように日常物なのでモンスターパニックみたいな要素は皆無ッ!であり、どちらかというと漫画帯の曰くである「異文化交流」という趣の方が強く出ています。というか、吸血鬼さん達は見かけ上ほとんど人間と変わらず、且つ人間が多くなっているのでそっちに合わせた生活様式になっているので、ぱっと見どころかその生態からしてもほとんど人間と変わらず、であって、余計に異文化としての吸血鬼というのが目に付く形に。はなさんが怖がりな部分があるのも、似てる所と違う所を描き出すのに一役買っていたりしますが、そうでないとほとんど人間と同じ対応で終わっちゃうんだから、人間と接し過ぎとも言えます。日光も大丈夫、なせいでちょくちょく吸血鬼である事忘れそうになりますし、はなさんがシーザーさんと微妙な関係になって更に吸血鬼と人間というのを考えるより人間と人間で考えた方が、なノリでもあったり。至近で読んだ石川博品『ヴァンパイア・サマータイム』が結構吸血鬼性がガチだったがゆえに、この作品のあんまり吸血鬼性をガチにしないのがちょっと物足りなかったのだなあ、と気付いたりも。だからはなさんも普通に接せれるけど、それだとなあ、とも思ったりします。その辺が勿体無い感じではあったり。
 キャラ的な話をすると、中盤から加入の狼男ポチの存在感というか、メインが4人になったがゆえに綺麗に駆動するようになった感を非常に強く感じました。吸血鬼の店の店主であるジルさんがちょっと立ち位置が引き気味というか、前に前にというタイプじゃないので、最初の方は話の回り方が弱いと感じたんですが、ポチが入ってからはシーザーとの関係とはなさんとの関係、及び二人の関係がしっかり駆動するようになり、話の回し方も無理がなくなったように見えました。というかシーザーのキャラが控えめ? はっはっは。
 とかなんとか。