感想 増田英二 『実は私は』2巻

 大体の内容「人外女の子大集合中!」。とはいえ、白神さんはじめ、今回登場の女の子達は通常の生活は十分に送れる程度の人外度ではあります。その辺は通常は普通の女の子めいているんだけど、実は私は、という題名の意味合いとしてしっかりしてるのでありまして、そういう意味ではしっかりしてるなあ、と謎の目線がふんわりと湧いてきます。
 今回登場の女の子は二人。片や狼男というある種意味不明の正体の紫々戸獅穂さん*1と、ロリ悪魔っ子に見えて年齢は数千歳、そして校長の紅本茜様の二人。獅穂さんは通常の女の子時は単に痴女なだけ、それでもあのナイスバディで痴女ってやばいかったりします、ですが、茜様は完全に悪魔としてしっかりしておられて、この学校に色んな実は私は、がいるのを良しとしていたりする、妙に良い人の雰囲気のあるお方であります。まあ、所々悪魔らしい雰囲気もあったり、ロリいゆえに白神さんには小さい子扱いされてムキー! ってなってたりもしましたが。というか、わりとバカだよなあ、数千歳。色々と人外としての能力は他より抜きん出てるのに、なんかそう見えない行動してるし。
 さておき。
 既存実は私は、なキャラである白神さんは、いつも通り所々抜けてて、なんでこの子、ばれずに学生出来てたろう、と思わされる部分がしばしば。日焼けしやすいという微妙な弱点の解消法として、日焼け止めというのを全く考慮に入れてなかったのが分かる回での間抜けっぷりは素晴らしい。茜様がよきに計らってたにしても、この抜け具合は本当に……。とはいえ、メインヒロインとして黒峰君に対して気になる部分があるような描写もあったので、その辺の抜け具合も良いアクセント。黒峰君と委員長とでいい感じに三角関係になればいいのに、とか思いました。そういう流れになっていきつつ、獅穂さんの目的である白神さんの監視が絡まるのかしらねえ。獅穂さん、その目的全くやる気ないみたいだけど。そして狼男の方は今後出番あるのか謎いけど。
 さておき。委員長である藍澤さんですよ。この巻でもどうやら黒峰君に気があるけど本人気付いてないっぺれえのを継続しておられて、そのせいで冷静さを失い、ボディの電池切れという事態になっておられましたが、そこから更に色々あって、黒峰君の胸ポケットでその鼓動を聞いて心臓バクバクになっておられたのは良かったです。なんとなく気になる人の鼓動を、その体が小さいがゆえに大接近して聞こえてしまって、ってまあ、いいじゃないですか。いい加減、自分の気持ち気付いちゃえよ、藍澤さん。とか思ってたら3巻範囲辺りで気付いたらしいという未確認情報もありますが、まあ、それからどうなるかは3巻を待ってじっくり見たいと思います。
 さておき。みかんさんの話にも触れますか。外道をしている理由、がこの巻では開陳されますが、なんとなく切ないお話のように見える、これまた実は私は事案でありました。とはいえ、みかんさんの想いというのはどういう所にあるのか気持ちの維持にあるのか、進展を止める方向にあるのか、というのは良く分からなかったりします。こればかりはその人の内実であるし、その内実がほとんど外道部分で覆い隠して出てこないので、今の所は分からないなあ、で済ませていいかと思いますが、あるいは三角関係の中に更に一角追加されてしまうのか。その辺は予断を許さない所であります。一角追加だと、ますます正体の話が重要になりそうだなあ。いい加減アナザル設定があんまり効果なくなってる感あるけど、その辺も含めてどうなるやら。

*1:具体的に言うと満月(わりとなんでも可。写真でもいい)を見ると狼っぽい“男”になる。通常時は普通に痴女。