- 作者: 逢空万太,狐印
- 出版社/メーカー: SBクリエイティブ
- 発売日: 2010/12/14
- メディア: 文庫
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内容を要約すると「嘘かと思ったら案外嘘じゃないから困る」。今回もいつものように展開や伏線など、どうでもよかろうなのだぁーー!! するというニャル子さんスタンダートとも言える内容ですが、その端々でニャル子さんやクー子の情動が色々あると言う、見方を変えるとそっちがメインではないか、いやここはむしろ見方をずずずいっと切り替えて、そういう方向の話なんだと割り切って読むべきではないか、というくらいにニャル子さんとクー子の精神テンションが貧民時代に戻っているじゃねえ激しい回な、『這いよれ!ニャル子さん』なのです。
ストーリーラインはいつものように馬鹿してたらクー子の従姉妹であるクー音さんがやってきて、クー子を連れ帰ろう、クー子と超結婚しよう! とするのでクー子が真尋さんがフィアンセである、と言い出してさあ大変という物。最後にクー音さんが学校を!? 何ゆえ!? から始まる大立ち回りもありますが、そっちとクー音さんは関係なかったのだ! といういつものゲンゲン肩透かしで、伏線とは、悲しみとは、と世紀末覇者顔になってしまいますが、先にも書いたようにそっちこそ瑣末であると見るべきでありまして、今回の主軸はあくまでクー子と恋仲になっているという演技が織り成す人間関係の変化でありましょう。
それが、嘘っこの恋仲が何を起こしたか、というと一つはニャル子さんの小一時間ほど問い詰めるかと思った? 残念! 一ページだよ! のニャル子さん大爆発。もう一つが、クー子が真尋さんに一族秘伝の箇所にキスする=かなりガチであるとの発覚であります。
前者は完全にネタのような所謂小一時間ほど問い詰めをベースにしつつ、ニャル子さんがガチで心情を吐露する、不安を吐露するというよく考えると初めてのケース。好き好き大好きSSDはいつも発散してるけど、ちょっと方向性がおかしくて且つ真尋さんも真剣に取り合いたくないというのがあってスカシ気味でありましたが、こうやってガチな、ネタを入れつつもガチな行動をしたのって、そして不安を口にしたのって本当に初めてであり、ゆえに初めてニャル子さんの真尋さんへの想いがガチなんだと気付ける事案でありました。この巻でもオパーイあててんのよしたりといつものように無駄に強引過ぎるアプローチとかしてたので、それで更にこれが来たらそりゃニャル子さんに対して倍率ドンですよ。倍点ですよ。あれだけ陽性で攻めてるニャル子さんでも、不安があったんやなー。
後者は前々からクー子が真尋さんを対象として認める発言をネタっぽくしていたのが、ここに来て効いてくるという亜空の展開。元からそれなりにあった真尋さん株が今回で更に鰻上った訳ですが、にしたってねえ。ニャル子が一番である、というのは変わりない辺りがクー子らしいっちゃらしいんですが、これで関係性が複雑度を増した格好ですよ。もう、真尋さんにニャル子を取られるとかそういうの無くなってるんじゃねえのか? あわよくば三人で色々と、とか考えてるんじゃないのか? と気付くと、本当にこの話どうなってしまうのやら。決着先が見当たらねー!
さておき。
今回も小ネタが横溢していましたが、個人的にはやっぱり『仮面ライダーW』を現在視聴中ゆえに「サイクロン!」「ジョーカー!」はツボにはまりました。アニメでは強力若本だったのが今思うと残念でしたが、まあそこは脳内補完ですよね。と言うか毎度それしたいだけだろネタぶっこんでくる万太てんてーは流石やわあ。それやりたいからやったんだよ! ってしゃっつらかましてくるからなあ。そこがいいんだけど。
とかなんとか。