感想 久正人 『ノブナガン』3巻

ノブナガン(3) (アース・スターコミックス)

ノブナガン(3) (アース・スターコミックス)

 大体の内容「九人の戦鬼と人の言うぞ! ノブナガン!」。という事で、圧倒的な戦艦型に対しての反抗作戦、「ストーンフォレスト作戦」が開始されるのが、『ノブナガン』3巻の内容なのです。
 特殊能力者が九人で世界を救う為にだから、「ストーンフォレスト作戦」、つまり石ノ森作戦ですね、分かります! というフックがありつつも、作戦自体は相当のガチ具合。強大な相手に、九人で戦うって段で燃え燃えなのに、相手はこちらの予想を覆していって、でもそこを対応する! というので倍率ドンで燃えまくれる、最高の巻でありました。正直、ここまで燃え展開ぶっこんで、後続くのかという気もしますが、案外短くまとまるのかもしれません。アニメ化終了と同時に終わる、というのはある種理想的ではありますし、アーススターの腹積もりがどこにあるのかも考え所です。でも、久正人せんせの力はまだある、まだ出来ると、それなりに昔からのファンとしては思う所もありますので、是非こちらの邪推などぶっとばす展開をどんどんぶっこんでいただきたいものです。
 にしても、今回の作戦は本当にガチでありまして、相手の状態と行動を読み、罠を張り、仕掛けを駆使し、力を行使する。しっかりした大作戦であります。しかも相手の様相が二つあるから、主戦場も二つで、更にその一つはノブナガンが通常兵器以外は単騎で、だからもう本当に燃えます。単騎ってそれだけで燃え燃えなのに、通常兵器って効かないんじゃあ? と言うのに対しての回答も素晴らしく、その手があったか! というのと、この敵だからこそか! というのが合わさって、もう堪りません。もう一方の戦場はいけてるように見えてジリ貧、だけど、そこを戦力外かと思われたある人物のスキルが救う! というのも燃えました。職能にきちんと沿った力の使い方! ただ強いだけが重要ではないのだ! というのがいいです。ここにこの配役、というのはちょっとでもの予定だったんだろうけど、思いの他上手くいってるんだからなあ。そして言ってる事も確かにその通りであるという高い納得度が、それを助長してます。先の通常兵器の使い方もですけど、理屈がキチンとあるという力! 力こそパワー! というのがきっちり決まっており、とにかく今回は本当に燃え重視であるなあと言えます。その上でジャックがノブナガンの危機に! ってもう、最高! という訳で、今回は燃え回でありました、としか言い様が無い出来栄えでありました。
 さておき、ここに来る前までにきっちりキャラの力を見せている、というのもこの巻が素晴らしいという事実に対する素地であります。今までちまちまとあちこちで出ていたのが、ここで収束するのがいいんですね。とりあえず、まずここを基準点としていこうという腹積もりだったんだなあ、久せんせ。それが見事に決まっているから、また緊縛やってたというのがあっても、やっぱりファン止められないわ。惚れてまうやろー!
 とかなんとか。