今月のまんがタイムきららチェックポイント(2013年12月号)

先に総評

 今回は祝!10周年!!という事で、作家さん達の所謂地底コメントや、系列誌の作家さん達の1ページなど、色々と賑やかな回となりました。買い出してまだ5年程度のニュービーから毛が生えた程度のワタクシでも、これは素直に良い事だなあ、と思ったりも。そして今回更にいいのは、10周年という事でなのか、休載が少ないというか体調面での問題らしい『チェリーブロッサム!』がない事くらいで、ほぼオールメンバーと言った姿であり、このタイムが来るのを待っていた我々(=私一人)にも歓喜の声が沸き起こりました。いえあ! おめでとう!
 それにしても、きらら本誌は萌え4コマ誌という基本に忠実でありつつ、可愛いの質と量と方向性が豊富であります。表紙が合同で、『ゆゆ式』、『あっちこっち』、『棺担ぎのクロ』、という三作でありますが、これがまあ方向性が全然違う。美味さが全然違う。でも、これがきららなんだよね。そんな言葉を、表紙が発している感じです。後、今の面子での合同ポスターも見所でありましょうか。ヒロイン勢揃い感が素晴らしい。一人男の子がいますけどね!
 この調子で、15年、20年と時を刻んで行ったら一体どういう誌面が見られるのか。それまで寄り添っていけるかどうか分かりませんが、見て見たいものです。

個別チェック三連弾

  • 三上小又ゆゆ式
    • この漫画の長所と短所は同居しており、それは女の子のゆるい会話がストロング、という事でしょう。今回もゆるい会話で構成されており、特に何もないがある。ノーイベントグッドライフのパワーを見せ付けられます。個人的には縁さんが三人の会話の中でけらけら笑うのが癒されます。特段にギャグという風ではないのに、笑ってしまっている縁さんというのが、この三人をとりまく空気の美しさをよく表現しているなあ、と。今回10周年のトップバッターであっても、特に何かを導入しない、という辺りも好感がもてるというか。皆が普通に生活してるのがいい、というのは枯れてるのかもしれませんが、しかしこれがきららの一端なんだぜ? って変な顔したいデスネ。
  • てっけんとう『うちのざしきわらしが』
    • UMIがぁ! UMIそのものがぁ! と言う事で、今回とうとう夕美が学に告白を! なんだよ、この漫画でこんないい話になるなんて! いや、よくよくなってたけど、今回は本当に夕美良かったね! って気分にさせられました。そして、その道に至る為に、わらが強い作用を、というので、あれ、この漫画もうそろそろ終わるの? と思ってしまうきららに調教された我が身! いやあ、でも、夕美は本当に面倒臭いのに、学はそれでもいいのか。いいんだろうなあ。今までもあれでも邪険にしてはなかったし。とりあえず、10周年でこれ、というのはおめでたい。
  • 湖西晶『〆切ごはん』
    • 10周年でこれ、というのはどうなっているのか。という文言を初っ端からぶっ放しますが、初対面の編集さんを前にして、ふつふつとエロ創作意欲が湧いてくる! というのは本当にエロ漫画の方向性としては正しいんですが、萌え4コマの方向性としてはどうなんですか。しかし、ネームがはかどってるゆかりさんの表情は活き活きとしており、ああ、水を得た魚なんだなー。と遠い目をしてしまいました。ここで高まった後に『幸腹グラフィティ』が相当にいい話、親子の話をさらっとしながらきっちりぶっこんでくるのもまた、きららの力なんだよなあ。

今月のワンワード

  • 津留崎優『箱入りドロップス』より。

お前来てから割と人生楽しいのにな俺…

  • 陽一ー!? それって割と重大発言なんだが気付いていますかお前ー!? にしても、今回は怖い顔がきちんと怖かったので、津留崎せんせも成長しているのだなあ、と変な上から目線が生まれました。最近は本当にちゃんと怖いですよね。