感想 増田英二 『実は私は』4巻

 大体の内容「白神さんの気持ちと家庭の事情」。今回は夏本番という事で夏祭りにキャンプにプールにと、夏らしいイベント満載にしつつ、白神さんの気持ちは? やら家庭の事情というかパパンとママン登場という結構重要な事もこなした、それが『実は私は』4巻なのです。
 白神さんの気持ちというのは、一体どうなっているのか、というのに茜校長に問われ、そして試される訳ですが、やっぱりこれは気持ちある以外の選択肢があったらキラークイーン第三の爆弾! して運命を巻き戻さないといけないレベルです。本人はまだ認めてないんですが、認めるのは時間の問題でしょうか。実家に行って一緒の部屋に一晩いたのに何もしてないですけどね! あのタイミングでグーグー寝れる白神さんと襲うという方向性に至らない(外にパパンが居たからもあるけど)黒峰君、やっぱりどっちもアホやな……。アホやから何も起きなくて良かったとは言えるんだけど。と思っていたら、藍沢さんは自分の気持ちに気づいていたり。自分に気持ちが向いてないのは知っているから、白神さんに譲る気持ちがいまんとこ強いみたいですが、状況が変われば心持ちだって変わる訳で、自分に振り向かせる、になる可能性、そして一度は告白した黒峰君ですから、転ぶ可能性もまだある訳で、果たしてその気持ちの向きはどうなっていくのやら。人外推しではなくアホの子推しが強くなって、本筋でも人外部分は柔らかい手触り(婉曲表現)になってる上で、しかしラブコメとしてはきっちりとしてきたなあ、とも思ったりも。微妙な三角関係の上に、更にみかんさんや未来の人まで絡まって、さてどうなっていくか。コメディ部分がラブと関係している部分と人外と関係してる部分があるのは、最後の矜持か。
 さておき。
 今巻はキャンプ回がありますが、そのキャンプが白神さん家の近くというか目の前、というので、前にちらっと出てきたパパンが登場します。あの時は妙にでかいけど遠近法かしら、と思っていたんですが、実際に登場するとあれが実寸でした。となってびびりました。色んな意味でどうなってんだ! 過去の話で出たプールの練習の話とか、様相が変わり過ぎるだろ! そこは実際黒峰君もつっこんでましたが。にしても本当に基本あのでかさなのだろうか。吸血鬼だから縮尺とか色々出来るのかしら。と思ったら、白神さんの部屋で一泊、という回でトイレに巨大版があるのが発覚して、え、あれデフォ? と困らされました。下世話な話をすると、ママンが普通の人間だから、えと、どうやって白神さん生まれる事になったんですか? あのでかさじゃあ、その、死んじゃいませんか? その辺はたぶん解明される事は無いでしょうが、だからこそ気になります! ほんと、どうなのか。
 さておき。
 パパンはこのタイプの漫画ではデフォルトである所の娘可愛い系頑固親父ですが、娘可愛いと頑固が鎬を削って変な行動に出てて大丈夫かこの人感が半端ではありませんでした。ベタなんだけど、やっぱりこういうのはだからこそやらないと、コメディとしてはもったいないですヨネ。釣りしてるんですよの呈で様子観察してるトコとかは、本当にこのパパン……。ってくらいに情けない行動しておりました。でも、白神さんとパパンには共通のウカツさがありまして、なんのかんので親子やねんな。とも。こういうのがきっちり出来てるのはいいですね……。
 にしても、紅本せんせは大変だな……。大人キャラと言うのはキャンプ回みたいに車必要な時には必須とはいえ、なんかどんどんと不幸キャラが板について、且つ茜校長へのカウンターとしても板について、余計に不幸感満載に……。そこがいいんですが、でも流石に新車をあっという間に破壊し尽くされたのはね……。タダじゃないんですよ、車は! お高いんですよ!
 さておき。
 今巻の最後はまた新キャラ登場でしたが、それが未来人、という新たなアプローチ。人外でなくなったけど、それは方向性としてはありななー。それが、未来の黒峰君を知る人がどのような効果をもたらすか、必見していきたい所です。というか、そういうのばらしたらまずいような気がするけど、さらっと言いそうだな、この子。
 とかなんとか。