感想 三家本礼 『血まみれスケバンチェーンソー』7巻

 大体の内容「血戦!地下血路!」。今回も当然前の巻の続きな訳ですが、つまりそれは全くの無辜の、ネロ手製のゾンビでも全くない人が前に立ちふさがってる! という状況な訳で、これはどうするんだよ! って思ったら、予想以上の納得性を持って解決されたのが『血まみれスケバンチェーンソー』7巻なのです。
 今回は桃井メロン戦、ヘルハウス兄弟戦、そして泥レスフォーマンセル戦前哨戦、とバトル面が飛ばしておりますが、その配分が桃井メロン戦がガチ、ヘルハウス兄弟があっさり、泥レスフォーマンセルは書いたように前哨戦、という形に。
 桃井メロン戦が思ったよりがっつりやったのが個人的には意外であったりもしました。相手があまりにもゲスなのは6巻でも既に分かっていましたが、そのゲスさが更に積み重ねられるという状況になり、しかもファンを罵倒し、嘲笑し、自分の手駒の為にぶっ殺すというレベルにまで達して、見てる方がめちゃゆるせんよなーっ! になってからですから、その後はさぞすっきりするだろう、と思ってたら、一瞬の間隙の後に予想以上にグロい末路が待っていて、そしてついでに次のヘルハウス兄弟の積み上げに使われてて、全く隙が無い展開、か思ったらヘルハウス兄弟が思った以上に理由不明で瞬殺させられたので「!?」ってなりました。え? あのエピソードも入れ込んでおきながらの、その瞬殺!? ってレベルなので、やはり三家本せんせはこの辺の予断の許さなさが半端じゃありません。男なんて描いてても楽しくねーんだよ! って事ですね、分かります。
 いやでも、ヘルハウス兄弟戦は本当に、凄い内容でしたよ。内容と言うか、先に書いたように瞬殺なんですが、その前に桃井メロンが酷い目に遭うのと、ドリエが見た虐殺場面の話が合わさって、これ勝てる相手なの? スキル的に強過ぎない? という積み重ねをしてくるんですね。それで実際にその力を発揮されて、あれ、ギー子死んだ? と思ったら、でありまして、でもどう助かったのかが暗くて外れたとしかされないでフルボッコが起きる展開になり、本当にアイエッ!? ってくらいに肩透かしでした。こういう透かし方が本当に上手いですわ。
 泥レスフォーマンセル戦は、え、これどういう? っていう相手が出てきたので、次の巻も期待大であります。というか、まだそういう方向性が残っていたか! って膝を打つレベルの敵でありますから、本当に期待しておりますよ。前哨戦自体は追加キャラ爆谷の面目が躍如しまくりで、爆谷、本当に便利だな、と思わされました。というか、いなかったら死んでるレベルだからなあ。一瞬、水着姿になるのかー、って思った自分の油断っぷりをあざ笑われる展開でした。この辺の積んでは予想外に崩すテクというのは、大変面白いなあ、と思います。
 さておき。
 桃井メロン戦でのギ―子の言葉は、良い言霊であるなあ、と思いました。自分のする事を曲げない、というのは書く/言うのは簡単だけど、その為には邪魔するなら本当に殺す気があるという辺りが、単純に正義じゃない、というか全く正義ではないんだけど、仁義ではある、という風に見れて、それを実行する気がしっかりあったのも分かったのも見れて、ガチだなー、と。その分、桃井メロンのゲス発言は大変ゲスいのが見れてそれもまた最高でした。こういう台詞が出てくるというのも、こういう側面を考えつける、考えが及ぶという事であり、しっかり考えられているのだなあ、と思います。積み重ねの崩し方といい、生半じゃねえですよ、三家本せんせ。
 とかなんとか。